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「---その刑事は、何という男だ?」「国友です」「国友・・・・知らんな」と、組長は首を振った。「若い奴です。しかし、親分が脱獄したので、警察も国友が狙われることは予期しているでしょう。どこかへ隠すかもしれません」「勝手に隠れりゃいい」と、組長は手を振った。「俺はな、若頭。---あんな息子に育てた自分が情けない。俺の育て方が悪かった」「そんなことは---」「いや、本当だ。もちろん、その国友って奴のことは憎らしい。しかし、息子が撃たれたのは、自分のせいだ。その刑事だって、死にたくなかっただろうからな」「しかし、親分・・・・」と、若頭は戸惑った様子で言った。「だからといって放っておくわけには---」「当り前だ。何のために、俺が、あと二ヵ月で出られたというのに、脱け出して来たと思うんだ?」と、組長は言った。「---俺にとっては、息子はたった一人の血のつながった人間だ。俺はあいつに残してやりたいと思えばこそ、危ない橋を渡って来た」「承知しております」「今はもう・・・・残してやる相手もいなくなった」と、組長が、天井へ目を向ける。「この虚しさは、死ぬより辛い」若頭は、何も言わなかった。「---いいか」と、組長は言った。「その国友って刑事を殺しちゃならん。そいつは、自分の身を守っただけだ。そいつに家族は?妻子はいるのか」「独身です」若頭は、手帳を取り出して、めくった。「---恋人がいます」「婦人警官か何かか?」「いえ。十八歳の高校生です」「十八?」組長は、眉を上げた。「息子と大して変らん」「佐々本夕里子といいます。三人姉妹の真中で、国友は、この姉妹と、まあ家族同然の付合いだそうです」「その姉妹の上は・・・・」「姉は綾子、二十歳の大学生です。下は珠美といって、十五歳。中学三年生です」「中学生か・・・・。息子の奴も、つい二年前は、中学なんて所へ通ってたんだな」組長の目に、光るものがある。だが、再び若頭を見据える組長の目はもう冷たく、厳しいものになっていた。「その佐々本という姉妹だ。そいつを殺す。---国友って奴に、俺と同じ気持ちを味わわせてやる」「二番目の、恋人の娘ですね」「いや」と、組長は首を振って、言った。「三人とも、だ」・・・やばーーー!銀行を襲って守衛や行員を三人を殺した、凶悪なグループのていれで、国友刑事が、正当防衛で、グループの一人の暴力団組長の一人息子を、撃ち殺してしまったのだ。それを知った組長が、刑務所を脱獄して、復讐するというのだ。どうなる、国友刑事?そして、三人姉妹の運命は??
『シリーズ登場人物』



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