幽霊列車(文藝春秋)

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◆幽霊列車
かわいい女子大学生が、探偵気取りで事件を解決していくという、赤川次郎の原点である作品だ。かわいい女子大生と、もうすぐ四十歳になるおっさんが、仲良くなるという設定は面白くないがしかたない。寂れた温泉町の宿に泊まり、翌朝に列車に乗車した乗客八人が、蒸発してしまう事件が発生した。この事件の解決に、警視庁捜査一課 宇野警部が派遣された。温泉町に向かう列車で、若い娘に出会う。この若い娘が、クサレ縁になる永井夕子なのだ。宇野警部と夕子が捜査をしていくと、消えた八人が泊まった宿の女中から呼び出される。呼び出された場所に行ってみると、なんとその女中が殺されていた。八人が泊まった宿で何かがあったのだ。それを知っている女中が口封じのため殺されたのだ。いったい何があったのか? 消えた乗客八人は、いったいどこに行ってしまったのか? しかし、町の人たちの気持ちも分かりますが、こんなことしたらダメですよね。それよりもあの早起きの男の子、あんなところで本当に何をやってたんですかね?こちらも謎です。
『シリーズ登場人物』

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◆裏切られた誘拐
赤川次郎ってユーモアミステリー小説家だと思ってたのに、恐ろしい話でした。初期にはこう言うものを書いていたのですね。「裏切られた誘拐」の題名から、内容を想像していたのですが、全く違うものでした。裏切られました。実業家の娘が誘拐された。宇野警部が実業家の家に行くと、何と夕子がいたのだ。幽霊列車事件から半年ぶりの再会だ。なんと夕子は、誘拐された娘の家庭教師をやっていたのだ。こんな偶然があるのか? 色々あって、夕子が身代金を公園に持って行くことになり、宇野警部が護衛に付いた。ところが、その間に事件が動いたのだ。誘拐された娘から電話があり、実業家が助けに向かったところ、犯人ともみ合いになり、犯人が持っていた拳銃が暴発し、娘と犯人が死んでしまうのだ。宇野警部たち警察の大きな失態だ。宇野警部は終わりだと思ったところ、この仕組まれた計画に気が付いた夕子に救われるのである。助かった。

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◆凍りついた太陽
なんと、宇野警部が、真夏に一週間の休暇を取り、夕子と一緒に海に旅行に出たのだ。お約束通り、旅行先で事件が起きるのであるが、「休暇中の警部が、たまたま殺人事件に出くわすなんぞ、全く探偵小説そのものじゃありませんか」と作品の中にそのことが書かれていて、赤川節炸裂です。三人の子どもを連れて遊びに来ていた美人妻を、ゆすっていたと思われる男が殺された。しかも、真夏なのに凍死ときている。どういうことなのか? 当然、美人妻の犯行と思われるのであるが、宇野警部と名探偵夕子が、辰(だれ?)の協力を得て真実を突き止めるのである。しかし、警視庁捜査一課の警部が、あんなことや、こんなことの犯罪らしきことをやってましたが、いいんですかね? 昭和なら許されたのでしょうかね? 後気になったのは、美人妻の三人の子どもたちの将来ですね。ちゃんと生きて行ってくれるといいのですが。

◆ところにより、雨
うーんどうなんでしょうか?赤川次郎にしてはめずらしく読んでてドキドキしない作品でした。まあ初めのころなので、こんなもんなのでしょうか。特に殺害の動機が弱すぎるし、こんなことが本当に起きるのだろうかと疑問符が付きました。夕子が通う大学の助教授の助手二人と、助教授の母親が何者かに殺害された。不思議なのは、晴れた日なのに、殺された三人とも、レインコートを着て、長靴を履いて、傘を持っていたのだ。どういうことか? 当然連続殺人事件として捜査が始まった。一番怪しいのは、三人に関係する助教授なのだが、最初の殺人事件の時に助教授は、宇野警部と夕子に会っていて、アリバイがあるのである。さっぱり分からない? 昭和の代表格と言えば、黒電話ですよね。出てきました!ブログのシンボルに使っています。

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◆善人村の村祭り
来たー!スリルとサスペンス!面白かったです。そもそも村の名前が善人村、怪しすぎる。お約束通りの展開でした。こういう村ってあるんですね。宇野警部と夕子が、田舎の温泉で正月休みを過ごそうと、ローカル列車に乗っていたが、崖崩れがあり途中駅で降ろされた。途方にくれるところだが、たまたま行き合った捜査四課の同僚刑事に誘われて、同僚刑事の出身の善人村で正月を過ごすことになったのだ。この村の人達は、みんな親切で、盛大な歓迎を受けるのである。ところが、この村の若い娘から、「ころされる」というメッセージを受けた。一体どういうことなのか? 誰が殺されるというのか? 果たして、二人の運命は如何に? この村出身の同僚刑事の気持ちも分かりますが、こんなことしたらだめですよね。しかし、この村のもてなしが、すばらしい。特に夜のもてなしが・・・・。

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