感想

怪奇博物館(角川書店)

「怪奇博物館」は、ホラーミステリーの短編が、七編収録されている。第一編は、題名通り、狼男の話だ。三十五歳の独身女性の助教授が主人公だ。助教授は、八歳下の公私ともに助手の男から、友だちが、狼男を見たと聞かされる。
感想

模範怪盗一年B組(光文社)

「大変だ、大変だ」と、口の中で呟きながら、主人公の女子高生が、学校の廊下を走っている場面から、物語が始まる。今度は、「参ったな、参ったな!」と、ハアハア喘ぎつつ、口に出しながら、主人公は、一気に階段を駆け上がる。
感想

勝手にしゃべる女(新潮社)

またもやショートショート集です。今度は、二十六編が収録されています。前半の文庫名と同じ「勝手にしゃべる女」は、私と一緒です。女性が、たまたま美容院で手にした週刊誌に、〈お見合い〉の特集記事が載っていて、それがちょっと面白く、見合いでもするかって気になったのだ。
感想

踊る男(新潮社)

「踊る男」は、シュートショート集で、何と、三十四編もの作品が、収録されています。一編が、四ページ程度ですが、みんな読みごたえがあります。前半の十二編は、男がバーに行く話で、男がバーに入って行くと、何時も先に飲んでる男がいて、入って来た男の様子を見て、どうしたのと話しかけてくるのだ。
感想

恋愛届を忘れずに(角川書店)

なかなか良い作品でした。完全犯罪ね。二十九歳の独身OLが、またすごい計画を立て、実行するのだ。主人公のOLが、同期入社で、同じく二十九歳の独身OLの同僚と、金曜日に、スナックを三軒回った。そして、主人公のOLが、同期OLをアパートに送って来たのだ。
感想

夢から醒めた夢(角川書店)

劇団四季のミュージカルになった作品らしい。ミュージカルね?なんで、歌いながら演劇するのか、良く分かりませんね? 「夢から醒めた夢」もそうですが、ミュージカルって、一度も見たことありませんね。それはさておき、なかなか良い作品でした。
感想

追憶時代(角川書店)

名門家の高校生の一人娘が、友たちと軽井沢に遊びに来ていた。テニス、サイクリング、乗馬、ドライブ・・・が、目的だ。ところが、来てから三日目に、その一人娘が、行方不明になってしまうのだ。名門家の父親は、あらゆる手を尽くして、娘を探した。
感想

まっしろな窓(文藝春秋)

なかなか良い作品でした。昭和に良くあった、団地戦争の話だ。郊外の、畑や山林だった一帯を切り拓いて造られた広大な団地に住む住人と、団地ができる前から住んでいた住民との戦争だ。主人公は、この団地に越してきて六年になる女子高生だ。女子高生の母親は、この団地の共済会の会長を務めている。
感想

棚から落ちて来た天使(講談社)

中々面白い話でした。中規模の商事会社の庶務課の男が、アイドルの追っかけに巻き込まれる。この男、二十九歳だが、たいていの場合、「三十代半ば」に見られている。中肉中背、足も長くなく、短くもなく、色も黒からず白からず、地味なグレーの背広---少しくたびれている-
感想

ロマンティック(角川書店)

ふうーーーん、こういう作品を書いていたんだ、赤川次郎さん。誰も死なないし、名探偵や警部も出て来ない。もちろん、猫や吸血鬼、幽霊なんかも出てこない。ただのお子ちゃまの恋愛小説なのだ。「いい加減にしてよ!」突然、甲高い声が店の中に響き渡った。