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砂のお城の王女たち(新潮社)

二十八歳の商事会社の独身の男が、アメリカへの長期出張から帰って来た。夕食を終え、マンションに帰るのであるが、憂鬱だ。なんてったって、出張の五年間、マンションの部屋は、閉めっきりで放っとかしでいたので、部屋中を掃除しなければならないからだ。
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遅れて来た客(光文社)

五階建ての、細長い、古い石造りのアパート。大学生のカップルが、このアパートの側を歩いていると、一番上の階の窓が、突然砕けた。そして、一人の男が、飛び出して来た。もちろん男は、路上に叩きつけられ、亡くなった。野次馬が集まってきて、救急車が来て、パトカーが来た。
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湖畔のテラス(集英社)

大学を中退して、フラリとアメリカへ出かけ、一年近く放浪して帰ってきた娘の話だ。娘の叔母からアルバイトを頼まれた。叔母の夫、つまり叔父に恋人ができた。会社の新人OLらしいのだ。叔父が、湖へ、お得意先の招待で出かけるのであるが、
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本日は悲劇なり(角川書店)

女子高生が自殺した。そうですね、昭和の時代から自殺者が多くいますよね。生きてさえいれば、何とかなると思うのですが・・・・どうなんでしょうか?  普通のアナウンサーからレポーターになった男が、この自殺の取材を始めた。この男、声が独特の渋さを持っていて
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魔女たちの長い眠り(角川書店)

魔女たちのたそがれの続編です。魔女たちのたそがれは、納得しない、悲惨な結果で終わったため、続編を早く読んで、スッキリしたいと思っていました。大学生の男二人が、夏休みに、山間の渓谷にキャンプに来た。川の近くで倒れていた少女を助けた。
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冒険入りタイム・カプセル(徳間書店)

ふうーーん、タイム・カプセルね。昔やったような、やらないような、記憶が定かではないですが、流行りましたね。高校生の時にタイム・カプセルを埋めて、三十年経ち、そのタイム・カプセルを掘り起こす話だ。主人公は女子高生で、その父親が、タイム・カプセルを埋めた一人だ。
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明日を殺さないで(角川書店)

兄妹愛ね、気持ち悪い。そんな話だ。妹に彼氏ができると、兄が彼氏を脅したり、暴力を振るって、妹と別れさせるのだ。いくらこっそりと付き合っていても、兄は敏感にかぎ出してしまうのだ。そんな妹が結婚した。ここも分からない。旦那は兄に、脅しや暴力を受けなかったのか?
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白い雨(光文社)

いやー怖かった!白い雨が降るのであるが、その雨を浴びた人は、心の中に押し隠していた憎しみや殺意が抑えられなくなり、本性で行動してしまうのだ。四つの事件がオムニバス形式で進み、絡み合っていく。
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早春物語(角川書店)

来ましたね!私の記憶にないのですが、映画やテレビドラマになった有名な奴です。冒頭で、役員会に来た大会社の常務(常務って言ってもまだ四十代のエリートです)が、十六、七歳くらいの少女に刺される事件から始まった。
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幽霊物語(集英社)

三十五歳で、父の会社を継いでからは、正にマスコミでも「軌跡を起こす男」とあだ名もつけられるほどの勢いで、各方面に事業を拡大してきた実業家の男が、交通事故で死んで、幽霊になった。幽霊は、見聞きすることはできるが、触ることができない、物がすり抜けてしまうのだ。