上役のいない月曜日(文藝春秋)

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◆上役のいない月曜日
上役のいない月曜日は、昭和のサラリーマンの日常を綴った、五つの短編集である。そしてこの一篇の「上役のいない月曜日」は、気が重い月曜日になんと、社長以下管理職が全員休みという、前代未聞の出来事を描いたものだ。平社員たちは、最初はどのように仕事をさぼるのか考えるのであるが、次から次へと面倒な仕事や事件が舞い降り、天国から地獄に落ちる思いをするのである。しかし、平社員たちのまじめな取り組みにより、面倒な仕事や事件を、次々と片づけていく。管理職なしでも、仕事が回せる、優秀な社員が揃った(?)、素晴らしい会社である。四十人そこそこの会社であったが、この優秀な社員たちなら、今では大会社に発展しているのではないでしょうか。

【昭和】パチンコ

◆花束のない送別会
休暇を取って会社に行ったら、自分の席が無くなっていた、なんて冗談を言ってたもんであるが、「花束のない送別会」は、出張して会社に戻ったら、自分の席が、本当になくなっていたという話である。知らないうちに辞表が出されたことになっていて、会社から追い出されてします。さらに、警察からも追われてしまうのだ。信頼していた同僚からも、健忘症扱いされてしまいます。最後には、人を殺して、焼身自殺される羽目になる。ただ出張しただけないに、踏んだり蹴ったりである。出張に行くときは、気を付けましょう。

◆禁酒の日
まったく信じられない、酒を飲むのを楽しみに生きている、私としては・・・。万年係長の主人公が、なんとなく、酒をやめようと思い立ったのである。禁酒を思い立ったその日に、社長に呼ばれて、清酒業者の招待に、社長に代わって出席するよう言われたが、今日から禁酒を始めたと、断ってしまうのだ。こんな万年係長だが、清酒業者の招待を断ったことを気に入られ、社長から、重大任務を言い渡されたのである。重大任務遂行にあたり、家内の浮気などが絡んで、あんなのとやこんなことで進んで行く。なんとか重大任務を果たせたのであるが、無駄に終わってしまう。果たして禁酒はどうなったのか?

【昭和】賭け事

◆徒歩十五分
正に昭和の出来事の話である。今ではあり得ない。駅から徒歩十五分の郊外のニュータウンに引っ越した主人公が、出勤初日に終電で帰ってきたのだが、自分の棟が分からず、夜中に迷子になってしまうのだ。うろうろと自分の棟を探すのであるが、浮気相手に間違われ、追いかけまわされたり、窓際に追いやられたおじさんの、愚痴を聞かされたり、なかなか家に辿り着かない。駅から徒歩数時間になってしまったのである。スマホのありがたさを、実感される話でした。

【昭和】モーレツ社員

◆見えない手の殺人
見えない手の殺人は、運の悪い、総務課の若手社員の話である。工場見学に来たお客さんを、若手社員が案内中に、お客さんが怪我をしてしまう。一年後、怪我をしたお客さんが、若手社員に会いに来て、争っている間に、息を引き取ってしまうのだ、少し突き飛ばしただけなのに。若手社員は、殺人容疑で警察から追われる。怪我をしたお客さんの死因については、工場の産業医が解明してくれるのであるが、時遅しとなってしまう・・・。五つの短編とも、サラリーマンをやっていた私としては、そうだよね、そうだよねって、懐かしく、楽しく読ませていただきました。

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