毒(ポイズン)(集英社)

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◆男が恋人を殺すとき
すごい薬が、発見された。その薬は、一滴飲めば心臓麻痺で死んで、解剖しても何の証拠も出ないのだ。しかも、飲んでから二十四時間後に死ぬ。つまり、薬を飲ませた犯人は、被害者が死んだときに、その場に居なくてもよいのだ。まさに、殺人をするための薬である。なんと、その薬が、大学の研究室から盗まれてしまう。当然、殺人薬が盗まれたことが公表され、巷は大騒ぎになる。そんな中、殺人薬が使われたと思われる女性の死体が発見された。盗まれた研究室の助手を行っていた女性が、刑事とともに、捜査に当たるのだ。死んだ女性は、三人の愛人がいて、取り調べが始まる。不思議なのは、三人も愛人がいるのに、その女性は、ボロアパートに住んで、生活も質素に暮らしているのだ。一体どういうことなのか? 結局、犯人が自首をして、事件が解決するのだが、その殺人薬を、刑事が持ち去ってしまう。こんな殺人薬なんか、あるわけないと思ったが、もしかしたら存在するかもしれません。なんてったって、使っても誰も気が付かない薬だからだ!恐ろしい!!

◆刑事が容疑者を殺すとき
刑事というのは、大変な職業である。逮捕した犯人に逆恨みされ、家族が危険にさらされることがあるのだ。例の殺人薬を持ち去った刑事も同じである。この刑事は、以前に、少女誘拐殺人容疑で逮捕した男を取り調べで絞り上げたが、落ちずに、証拠不充分で釈放したことがある。なんと、その男が、近所に住んでいることを最近知った。しかも、五歳になる娘と遊んでいる時に、その男と出会ってしまったのだ。刑事は、その男の娘を見る目が異常なことから、危険を感じたのだ。刑事は、この男を始末しなければと、例の殺人薬を使うのだ。しかし、残念ながら時遅しで、悲惨な結果になってしまう。そうそう、例の殺人薬は、ひょんなことから、十六歳の少女スターの手に渡るのだ。

◆スターがファンを殺すとき
十六歳の少女スターが、例の殺人薬を手に入れた。父親、学校の教師、元彼、親友・・・殺したい人が沢山いるみたいである。ただし、殺人薬の使用量が分からない。そこで、少女スターの付き人を、実験台として、殺人薬を使ってみるのだ。十六歳の少女スターがですよ。住む世界が違うんですね。そして、実験は、見事成功する。そして、この少女スターの人気を脅かす、新人スターが出てきた。この新人スターに、殺人薬を使うのかと思いきや、使う前に、少女スターに事件が起き、スターの身を転げ落ちてしまうのだ。その後、新人スターに一泡吹かせる作戦を立て、実行するのであるが、どうなることやら? 芸能界は、正に戦場、生きるか死ぬかの世界なんですね。殺人薬はーっていうと、今度は、ホテルのボーイの手に渡るのだ。

◆ボーイが客を殺すとき
いやー最後の話は、すごいです。総理大臣の息子の結婚式に出されるの料理に、例の殺人薬を入れて、出席した政治家や各界の大物を殺害しようと計画するのだ。殺人薬を手に入れた、ホテルのボーイは、無政府主義の急進的なテロリスト組織に所属していた人間で、この総理大臣の息子の結婚式が行われるホテルに、ボーイとして潜入していた。そして、あれこれとテロを計画していた矢先に、殺人薬を手に入れてしまったのだ。この殺人薬が盗まれた大学の研究室の助手が、このことを嗅ぎつけ、ホテルに訴えに来るのだが、支配人にホテルに監禁されてしまう。そうそう、書いていませんでしたが、この助手は、殺人薬の行方を追って、ずーーっと頑張っていたのだ。そして、ボーイにより、結婚式に出されるスープに、殺人薬が入れられて配われ、みなが飲んでしまうのだ。前代未聞のテロが行われてしまった。こんなことがあっていいのだろうか?という話です。まあ、落ちがありますが。

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