待てばカイロの盗みあり(徳間書店)

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◆待てばカイロの盗みあり
淳一が、プロの殺し屋に狙われた。真弓と高級フランス料理店で食事をしている時にだ。淳一は、真弓のハンドバックから素早く拳銃を抜き取り、プロの殺し屋を撃ち、拳銃を真弓の手に握らせたのだ。翌日の新聞には、〈婦人警官、殺し屋と決闘!〉などと載っていて、真弓は有頂天であるが、なぜ淳一が狙われたのか謎でなのである。それはさておき、古代エジプト秘宝展が開催されることになり、目玉はなんといってもツタンカーメンの黄金のマスクだ。その黄金のマスクの警備に、真弓と道田刑事があたることになった。絶対何かあるよね。もちろん秘宝と言ったら、淳一の出番も当然です。そんな中、警視庁捜査一課長と道田刑事、それに秘宝展が行われる美術館の館長が、淳一の家に訪れたのだ。どうも、今展示しているツタンカーメンの黄金のマスクは偽物で、本物が届くので偽物と入れ替えたいとのことだ。もちろん極秘に行うため、警備に当たっている警官や警備員の目を盗んで行わなければならない。その入れ替えを淳一に頼みに来たのだ。えー-、淳一が泥棒ってばれているの? まあ、道田刑事が、秘密を守ってくれる、器用で冷静沈着、何をやたせても名人の域に達しているとのことで、淳一を推薦したらしいのだ。淳一は、結局入れ替えを引き受けたのであるが、ただではすみませんよね? 冒頭の淳一が、プロの殺し屋に狙われたことも気になりますよね? 果たしてどうなるのでしょうか??
『シリーズ登場人物』

◆旅は道連れ、地獄行き
淳一と真弓がドライブをしていたのですが、道に迷ってしまう。道を戻ろうかと考えていると、銃声がたて続けに響き渡るのだ。淳一がバックで戻ろうとすると、真弓は「日本の警察官の一員として、ここは逃げられないわ!突撃!」と、使命感に燃えるのだ。仕方なく車を進めると、パトカーが襲われていて、左右の崖の上から四、五人ずついて撃っているのだ。淳一がクラクションを鳴らして進み、真弓が、左右の崖に向かってでたらめに拳銃を発射すると、ワッと声が上がって崖から逃げて行ったのだ。すると、パトカーの下から警官と手錠をかけられた若い男が出てきた。話を聞くと、この先に寂れた鉱山があって、二つの暴力団が住みついていて、若い男は、片方の組長の息子を打ち殺した容疑で町に搬送中に襲撃されたとのことだ。四人が町に向かおうとすると、お約束通り、巨大な岩が崖の上から転げ落ち、町への道を塞いでしまう。しかたなく、四人は二つの暴力団が待ち構えている鉱山に戻るのだ。淳一が、両方の組長に会い、互いに相手の組を襲撃す手助けをする約束をするのであるが、どうもなにか考えがあるらしい。そして遂に、二つの暴力団の決闘が始まるのである。さて、どうなるのでしょうか?

◆逃がした芝生は大きく見える
土地の売買で儲けている男の金塊が、何者かに盗まれた。銀行は信用できないと、資産を金塊にして自宅に保管していたのだ。そうだよね、やっぱり金だよね、今の金の相場は過去最高で、10年で3倍に吊り上がっている。金を買っておけばよかった?あ!買うお金ないか? その捜査に真弓が当たっているのであるが、なかなか進展しないらしい。真弓は、まさか淳一が?と疑うのであるが、「あんな重いものを一人で盗めるか」と否定するのである。そこを何とかしちゃうのが淳一なのであるが、今回は違うらしい。でもこんなにおいしい話を淳一が放っておくはずがないですよね。そして、あんなこんなで、淳一は、金塊が盗まれた男の娘に近づいた。娘の話だと、金塊が盗まれた男は、裏で犯人に接触していて、金塊を買い戻す交渉をしているらしいのだ。そして娘は、その金塊を横取りしたいので、淳一に協力を依頼したのだ。問題は、金塊が盗まれた男は、犯人とどのように交渉しているかだ。なんせ金塊が盗まれた男の家には警察が詰め込んで、電話や手紙などを全てチェックしているからなのだ。そして、淳一はスケールの大きい犯人との連絡手段を突き止めるのであるが、こんなことするかって感じです。昭和だって、もっと良い方法がある気がしますが? さて淳一は、金塊を手にすることができるのでしょうか?

◆穴探し、隣は何を掘る人ぞ
淳一が、唐突に「都心にマンションでも借りようかと思ったんだ」と言い出した。真弓との別居生活? 女を囲む? 目的はなんなんだ?? まあともかく、真弓と一緒に目星をつけたマンションに行ってみる。六階建ての、中規模ながらあまり安っぽくもなく、けばけばしくもない洒落た外観のマンションで、真弓も気に入ったらしい。管理人に「一日、二日の内に必ず返事をするから」と予約していたのに、「もう借り手がついちまったんだよ」との返事だ。家賃を二倍払うからと、無理やり借りたらしいのだ。既に荷物は運び込んだが、人間の方は後で越してくるとのことなので、早々淳一がその部屋に忍び込んだ。そして、部屋から出てくると「きっと近い内にまた部屋が空く」と言い切ったのだ。それから三日後には、淳一の言葉に間違いがなかったことが立証される。そして、真弓がマンションの部屋を尋ねると、玄関に見覚えのある淳一の靴と並んで、若い女物の靴があったのだ。やっぱりね。当然真弓は拳銃を手に上がりこむ。さて、どうなることやら?? そして色々なことがあり、マンション丸ごと脅迫事件が発生するのだ。まあ、短編なんで仕方ないかもしれませんが、突拍子もない話の連続で、今一でした。

◆天上天下唯我独占
真弓が、二億円の宝石を強奪した犯人を捕まえたが、持っていたはずの宝石が無くなっていた。逃げている途中でどこかに隠したのだ。逃げた道筋の両側の家などを探したが、宝石は見つからない。この話を聞いた淳一は、宝石と聞いて黙っているはずがない。早々犯人を捕まえた時間に、捕まえた場所に行って調べていると、幼稚園の送迎バスが通ることが分かった。犯人は、宝石をこの送迎バスに放り込んで、それを見た園児たちがみんなで家に持ち帰り、オモチャ箱に入れたと推測し、真弓に送迎バスに載っていた園児の家を調べるように指示をした。ところがその送迎バスが、何者かに乗っ取られ、宝石を集めて持ってくるように要求された。宝石を何とか集めて犯人のいる送迎バスに持っていくのであるが、どういうわけか淳一が持っていくのだ。ちょっと無理があるが、仕方ない。そして淳一は、犯人と交渉をしてヘリコプターで逃走するように提案する。早速ヘリコプターを手配するのであるが、ヘリコプターはあるのであるが、パイロットがいないときている。そこで、淳一がヘリコプターを操縦することになるが、これまた無理があるが、仕方ない。最後には、淳一と真弓がヘリコプターで東京の空を遊覧ときている。ところで、犯人と宝石はどうなった??

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