幽霊愛好会(文藝春秋)

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◆名探偵の子守歌
宇野警部と夕子が、休日に遊園地で待ち合わせをした。無謀ですよね。広い遊園地で、スマホもないのに、会えるはずがありません。仕方なく、宇野警部が、アナウンスで夕子の呼出しをお願いしたのだ。今思い出しましたが、私は子供のころ、遊園地で迷子になり、アナウンスされたことがあります。今でも、ショッピングセンターや駅などで、呼び出しのアナウンス聞きますが、スマホを持っていない人がいるのでしょうか? 宇野警部が夕子が来るのを待っていると、知らない女性から赤ん坊を抱いててくれと押し付けられてしまう。女性は、殺人屋敷に入っていったのであるが、なかなか出てこない。夕子が来たので赤ん坊を預け、宇野警部が殺人屋敷に女性を探しに行くと、なんと絞首刑台で首を吊って死んでいたのだ。首を見ると手で首を締めた跡があった。検視の結果、手で絞め殺されてから、ロープに吊り下げられたとの見解が出た。女性が殺された時に、殺人屋敷の中にいた三組のカップルを聴取したところ、一組のカップルからヘロインが見つかるのだ。どうもこの殺人屋敷の中でヘロインの売買をしていたらしいのだが、女性殺人との関連が分からない。この謎に、宇野警部と夕子、そして預かった赤ちゃんの親子連れが挑むのである。そうそう、赤ちゃんホームズが誕生しました。この赤ちゃんが、ヘロインを見つけて泣いたのです。今後、赤ちゃんホームズが、シリーズ化されるかもしれませんね??
『シリーズ登場人物』

◆青ひげよ、我に帰れ
夕子が芸能週刊誌に出た。〈芸能界の青ひげに四人目の妻〉〈夫人三人を続いて事故で亡くした役者に女子大生の恋人!〉〈お熱いデート現場をキャッチ!!〉〈「私の大事な人です」と。・・・・〉の見出しだ。この役者のお相手が、なんと夕子なのだ。この役者の妻三人が、次々に事故で亡くなった。しかも三人とも、役者の自宅に向かう道路の、同じ場所から車で海に転落して死亡したのだ。こんな偶然があるだろうか? 夕子は、この謎に興味を持ち、自ら役者に近づいたのだ。そのことを、宇野警部と夕子が話しているバーに女が現れ、夕子に「あの人から手を引いて」「私はね、役者の婚約者よ」と言い放ったのだ。その婚約者が、またもや車で役者の自宅に向かう途中で、三人の妻と同じな所から車で転落してしまう。危うく夕子も同じ目に合うところだったのだ。宇野警部と夕子が、役者の自宅に話を聞きに行くと、役者の妹も一緒に住んでいたのであるが、何か様子がおかしい。夕子に敵意を見せているのだ。しばらくして役者の妹から、宇野警部と夕子に役者の自宅に来るようにと呼び出されるのである。何か罠の匂いがプンプンするのであるが、二人は大丈夫なんでしょうか??

◆赤い靴はいていた女の子
へえー、宇野警部の財布の中が潤っていたんですって。そんなんで、夕子と二人で青山のフランス料理店で食事なんですって。うらやましい。デザートの段階で、夕子がふと気づいたのである。金持ちの令夫人といった感じの中年の女性が会計をしていたのであるが、その女性が連れている十五、六歳の女の子の履いている靴が、左足が緑色の靴で、右足が赤色の靴なのだ。まあ、靴下の左右をわざと違うものを履くとか、そいうのってありますよね。その女の子が、階段を駆け上がって行ったのであるが、「キャーッ!」って言って、階段を転げ落ちてきたのだ。女の子は、気を失っていたが、脈はしっかりしていて息はあったのであるが、不思議なことに、左足が赤色の靴で、右足が緑色の靴に変わっていたのだ。実は、この女の子は双子で、ある事件がきっかけで、実業家の父親と母親が離婚して、姉と妹は、それぞれの親が引き取っていたのだ。そして、双子の姉妹から、両親が離婚するきっかけとなった事件を解決すれば、またみんな一緒に暮らせると、宇野警部と夕子に、事件解決を頼むのである。いよいよ、夕子探偵の出番なのです。ああ、赤い靴と緑の靴の事は、なんだったか分かりますよね。

◆コウノトリは本日休業
宇野警部の隠し子が見つかりました。女性が、団地の池で死んだ。その女性が持っていた手紙に、「私に万一のことがあったときは、警視庁捜査一課宇野喬一警部にご連絡ください」とあったのだ。さらに女性には、六歳の娘がいて、宇野警部を見て「この人が、パパなの!」と言うのである。女性が住んでいた団地の人に聞くと、この女性は、この団地に来て三年ぐらいになるが、昔のことは触れたがらなく、あまり心を許した友人もなく、どこからか仕送りがあって、仕事もせずに暮らしていたらしいのだ。ところが調べたところ、女性に仕送りをするような親類などおらず、なにか悪いことでもしていたのではないかと疑わしくなってきたのだ。そんな矢先、女性の部屋に行ってみると、部屋の中が荒らされていて、犯人を捕まえて聞くと、あっさり女性から脅迫されていたことを認めたのである。だだし、ゆすられた金は月五万円で、とても生活できる額ではないので、もっと脅迫をされている人がいるのではないかと調べていくと、女性がこの団地に来る前のネタで脅迫されている者がいることが分かり、黒幕がいるらしいことが分かってきたのだ。後の問題は、宇野警部の隠し子の件である。

◆殺された死体
奥多摩の小さな町で、三日後に町長選挙を控えていたのであるが、町長の奥さんが殺さてしまう。しかも、町を見下ろす一本松の木に裸で首から吊り下げられていたのだ。町長は町の有力者で、選挙も毎回無風状態であったのであるが、今回は違う。町長の使い走りをしていた男が、ちょっとしたしくじりで、町長にクビだと怒鳴られ、町長の横領を新聞社に告発をして、自殺してしまったのだ。横領については、幹部二人に押しつけたのであるが、町の若い者が立ち上がり、リコール署名を始めると、町長は選挙で信を問うと決めたのだ。どうせ、対抗馬など出るものかと、高を括っていたのだ。ところが、こともあろうか、町長の娘が対抗馬として選挙に立候補したのだ。娘は、町長の娘だけど、ちっとも偉ぶってなく、みんなの惚れの的なのだ。そして町は、町長派と娘派で二分してしまう。そんな矢先の事件なのだ。この事件の捜査に、宇野警部、原田警部、そして夕子が当たるのであるが、捜査をしていると、今度は、娘派の運動員の若者が死体で見つかるのだ。これを受け、町長派と娘派の人々が集まり、乱闘騒ぎが勃発する。手の施しようが無くなるのだ。果たして、事件の真相と、選挙の行方はどうなるのでしょうか? そういえば、私も定年退職したら、小さな町か村の議員になろうかと思って、どこにするか調べたりしていたことがありました。あれ、どうなったのかな?

◆幽霊愛好会
夕子が、大学の時の友達に会いに行くことになった。友達は、お金持ちの後妻に収まったのであるが、なんと義理の息子が友達より年上ときている。義理の娘もひとつだけしか違わない。こんなんでうまくいっているのかな? 夕子が宇野警部を連れて友達の家に行くのであるが、部屋数二十という大邸宅で、玄関だけで、宇野警部の官舎の部屋位の広さなのだ。お金持ちは、霊体研究所の会員になっていて、月一度亡くなった前妻に会いに行っているらしい。むかし流行った霊媒師みたいなものだと思うが、なんと、会費は月三十万円だそうだ。変な秘密クラブとかに入られるよりいいし、幽霊となら浮気もできないだろうということで、結構、名士っていわれる人たちが入っているらしいのだ。それはさておき、出かけたと思っていた義理の娘の靴が玄関にあるのに気が付き、友達が娘の部屋に見に行くと、なんと娘が殺されていたのだ。捜査が始まるのであるが、帰った来たお金持ちは、「これから犯人を見つけに行く、私に任せてください」ときたのだ。要は、霊体研究所に行って、殺された娘に会い、犯人を聞き出すということなのだ。なるほど。そして、霊体研究所に行って、犯人の名前を聞き出したのであるが、果たして・・・・どうなることやら? しっかし、夕子の行動力には脅かされます。

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