冬の旅人(角川書店)

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◆冬の旅人
冬の旅人は、国際的なバリトン歌手が、日本にリサイタルで来ていて、殺人事件に巻き込まれる話だ。バリトン歌手に、リサイタルで歌う予定の歌を、人が死ぬことになるので歌うなと、リサイタルの当日に電話が入った。そんなこと、急に言われても困りますよね。別に脅迫でもなく単なるお願いみたいなので、歌を変更せずに、その歌ったところ、楽屋で見知らぬ男が死んでいたのだ。勝手に楽屋で死んでもらっても迷惑ですね。事件は、それほどの影響がなく、予定通り残りのリサイタルをこなすことができた。その後、バリトン歌手は、お金持ちが音楽家の交流の場として提供しているお屋敷に招待される。そこには、何人もの音楽家が泊まり込んでいて、各自が演奏などをして交流している。怪しい。お約束通り、殺人事件が発生する。楽屋で死んだ事件との関係はあるのか? バリトン歌手が、その謎の真相を探って行くのだ。バリトン歌手は、リサイタルに来た日本で、こんな事件に巻き込まれ、まったく迷惑な話であるが、楽し気である。そうそう、「ミステリーは小説の中だけで沢山だ」と、久々に赤川節が聞かれた。

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◆巨人の家
また、変なお金持ちの話だ。なんと家や家具が、通常の二倍でできているのだ。正に巨人の家。そんな家に、夫婦が招待された。招待状が、またすごい。大封筒で送られた招待状がまた大きく、書かれている字も大きいのだ。徹底している。どうも大金持ちは、この夫婦の奥さんの伯父さんらしい。会ったことはないが、奥さんの母から、変人の伯父さんがいると聞いていたのだ。その巨人の家に行ってみると、大金持ちの甥にあたる兄弟と、弟の妻が来ていた。どうも三家族とも、お金に困っていて、この大金持ちの財産を、当てにしているらしいのだ。この大金持ちには、家族がいない。この大金持ちが死ねば、遺産がみんなに入ってくるのだ。お約束通り、みんなが招待されたその晩に、大金持ちが殺される。大金持ちは、遺産の相続人を決めるために、自分の血縁者を調べて、みんなを招待したみたいですが、甘いですよね。こうなることは、想像できたと思います。

◆本末転倒殺人事件
捜査一課に在職二十年になるのに、犯人に逃げられる、証拠を見逃す、証拠を捨てる、張り込みは居眠りをする。こんな駄目刑事が、また何かドジを踏んで、一週間の自宅待機を命じられた。暗に自主退職を命じているらしいのだ。TVドラマの「教場」を見ると、刑事には簡単になれないみたいですが、昭和の時代は、だれでも刑事になれたのかな? それを知った妻は、旦那に何か手柄を上げさせようと計画を練る。そんな時、向かいの家の旦那が、浮気を繰り返し、家には金を入れずに、家庭を省みず、奥さんに暴力をふるうことを知り、向かいの奥さんに旦那を殺させ、奥さんを自分の旦那に逮捕させることを考えるのだ。妻は、計画を図ろうと、向かいの奥さんに近づいていくのであるが、そううまく行くはずありませんよね。妻は、逆に罠にはめられてしまうのだ。駄目亭主のために頑張ったのに、かわいそうな妻でした。

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◆三毛猫ホームズの水泳教室
やー、赤川次郎が、こんな短編を書いていたとは、驚きました。なんと本作は、三毛猫ホームズシリーズと幽霊シリーズのコラボなのだ。三毛猫ホームズと永井夕子が、一緒に事件解決に当たるのだ。もう、最強コンビなのだ。事件は、内緒でスイミング・クラブのプールを使っていた、大学生の女子水泳選手の遺体が、高飛び込みのプールで発見された。事故なのか事件なのか? ここのプールを管理をしていた若者が遺体を発見し、知人の片山刑事に連絡し、片山刑事とホームズが、このクラブにやって来たのだ。そこへ、女子水泳選手が、こっそりこのプールで練習をしているのを嗅ぎつけて、取材に来たと永井夕子が現れたのだ。結局、女子水泳選手は事故死ということで、片付けられそうになるが、そんなことを許さない夕子とホームズが、片山刑事を焚き付け、事件解決を図るのだ。さすがだ。こんなコラボは、初めて見たが、まだまだ他にあるのかな?

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