黒い森の記憶(角川書店)

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いやー、怖いサスペンスでした。ユーモアなんかどこにも出てこない。黒い森の近くの山小屋で暮らしている、外科医を引退した老人の話だ。老人は、この山小屋に住み始めて二年になるが、人を全く寄せ付けない暮らしをしている。生活に必要なものは配達させているが、散歩に出ている時間に配達させているくらいに徹底している。もちろん一人娘すら、二年間老人に会っていない。私も、人里離れたところで、のんびり暮らしたいと思っているが、ここまで徹底するつもりはありません。(今、安い別荘を探しています)そんな中、足を拳銃で撃たれた容疑者が、この山小屋に、逃げてきた。老人は、脅されたわけでもないのに、山小屋で、この容疑者を匿うのだ。元外科医の老人は、この容疑者は患者なので、傷が治るまで面倒みるというのだ。さらに、差出人不明の不気味な小包が届き始める。一体何なのか? そして、この老人の周りで、殺人事件が次々と発生していく。せっかく、人里離れて静かに暮らしていたのに、迷惑なはなしなのだが、どうもこの老人の過去に関係しているようだ。老人が、人を全く寄せ付けない理由も明らかになっていく。私も、自身の過去を振り返って見ると、少し恐怖を感じるのである。

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