幽霊候補生(文藝春秋)

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◆幽霊候補生
幽霊候補生は、宇野警部の恋人の夕子が、幽霊になるという話しで、幽霊シリーズそのものなのである。まあ、幽霊シリーズなんで、幽霊を時々出さなければ、なんでしょう。夕子が、車ごと湖に落ちて死んだ。その後、事件捜査でたまたま見たアルバムの写真に、夕子の幽霊が映っていたのだ。その写真は、夕子が落ちた湖で撮影したものだ。宇野警部は、早速休暇を取り、夕子の捜索に当たるのだ。そして、夕子を見行けることができたのであるが、夕子は別な名前を語り、宇野警部や永井裕子のことは知らないと言う。さらに夕子は、この湖一帯の大地主で由緒ある旧家の息子と結婚していたのだ。ガーン! それでも宇野警部はめげずに、真相を明らかにするため動くのであるが、不法侵入と風呂覗きで、留置所で一晩ってな感じになってしまうのである。どうなることやら??
『シリーズ登場人物』

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◆双子の家
いくつもの事業を経営し成功した実業家の兄と、兄の会社の株の配当だけでのんきに遊んで暮らしている弟の双子兄弟の話だ。警視庁捜査一課長へ、この双子の兄弟各々から「兄が私を殺そうとしている」「弟が私を殺したがっている」と、助けを求める電話が来た。余りにもしつこく電話が来るので、宇野警部に一度話を聞くようにと指示が出たのだ。早速兄弟に話を聞くと、兄が惚れていた兄の美人秘書を兄から奪い、弟が結婚してしまったことが原因らしい。なるほど。そして、弟の家が火事になり弟が亡くなる。助けに入った兄の話によると、弟は自殺したとのことである。この一部始終を宇野警部と夕子が見ていたのだ。刑事を騙して証人に仕立てる、大胆な計画なのだ。でもさすがに夕子です。見事このトリックを見破りました。でも、計画が成功したらその後どうなっていたのでしょうか?各事業が進まなくなると思いますが。そこまで考えていたのでしょうかね?

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◆ライオンは寝ている
いやいや、ペットも色々あるんですね。何々のペットが逃げたなんて、よくニュースでやっていますが、そんな話です。夕子が家庭教師をしている子の家族が、旅行に出かけることになったので、夕子と宇野警部が、その屋敷の留守番をすることになった。このお屋敷には、ペットのポチを飼っていて、その世話をしなければならないからだ。ペットのポチって分かりますよね、題名から。ポチを飼うなんて、さすが昭和だなって思って調べたら、今でも市区町村に飼育許可を取れば飼えるそうです。へえー。そのポチを飼っている裏庭で、旅行に行ったはずのこの屋敷の主人の遺体が見つかった。なんと、首が引きちぎられているのだ。当然、ポチが犯人として疑われる。旅行から急遽戻ったこの屋敷の息子が、そのことを知り、ポチが殺されてしまうと、ポチを連れて屋敷から逃げてしまうのだ。さあ大変、どうなることやら。

◆巷に雨の降るごとく
4つの大学のワンダーフォーゲル部の合同活動で起きた事件の話です。ワンダーフォーゲルって、ドイツ語で渡り鳥という意味で、山野を徒歩旅行し、自然の中で自主的生活を営みつつ、心身を鍛練し、語りあうことを目的とする青年活動の一つのことらしいです。やあーいいですね、自然の中って、やってみたい。でも、青年活動って言ってるので、年寄りがやっやらダメなのでしょうか? 合同活動に参加していた大学生の男がテントを出て、朝の爽やかさを楽しんでいるとき、木にぶら下がっている女子大生を見つけた。ロープは首にかかっていて、首吊りだ。辺りには踏み台はなく、自殺だと木に登って飛び降りるしかないのだが、手がきれいで、木に登った形跡がない。さらに全身が濡れていて、どうも雨が降ったようだが、雨が降ったことに気が付いた参加者がいないのだ。この難問に、夕子と宇野警部が挑むのだ。

◆眠れる棺の美女
いやー、お金持ちって大変なんですね。遺産相続をめぐって、あんな大芝居打つなんて。夕子の父と親しかったお金持ちが病死した。夕子もお金持ちに可愛がれていたので、宇野警部とお葬式に参列したのだ。そのお葬式で、棺桶を霊柩車に運んでいると、棺桶から血がしみ出したのだ。慌てて棺桶を開けると、お金持ちの背中が刃物で刺され血が流れていて、身体も硬直していないのだ。一体どういうことなのか? 病死の死亡証明書を書いた医者によると、お金持ちは、三人の子どもに遺産を相続する資格があるのかを、死んだふりをして確かめることにしたのであるが、刺されてしまい、本当に死んでしまったのだ。刺した犯人は、三人の子どもの誰かなのか? まあ、推理小説なんで、犯人らしくない人が犯人なんですが、今回の犯人は、ちょっと想像できなかったですね。まあ、私は遺産相続でもめるほどのお金は持っていないので、こんな問題はおこらないので安心ですが。

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