吸血鬼はお年ごろ(集英社)

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◆永すぎた冬
吸血鬼シリーズは、由緒正しき吸血一族の末裔のフォン・クロロック伯爵と、その娘の半人間のエリカが、繰り出す物語である。吸血鬼って、本当にいたんですね。驚きました。皆さんが知っている通り、吸血鬼は、昼間は棺桶で寝て夜行動し、人間の血を吸って、ニンニクが苦手だ。ただし、十字架は、大丈夫らしい。第一話は、エリカが通う高校のテニス部の合宿で、六人も殺害され、その真相をエリカと父の吸血鬼が解明する話だ。テニス部員たちは、喉を噛み切られたような傷を残し、失血状態で惨殺されている。巷では、吸血鬼の仕業じゃないかとささやかれ、エリカが、父がやったのではないかと疑う。そんなところに、エリカの父の弟の息子、つまりエリカの従弟が、突然現れる。どうやら、エリカの父だけでなく、多くの吸血鬼が日本に来ているらしい。その吸血鬼たちの誰かが犯人なのか? 吸血鬼って、力が強くて、聴覚・嗅覚が鋭く、催眠術を使えるとの、新たな発見がありました。
『シリーズ登場人物』

【昭和】バスの車掌

◆幽霊たちの舞踏会
第二話は、吸血鬼でなく、ノッペラボーの話だ。ノッペラボーは、顔に目と鼻と口が無い、お化けだ。だたし、ここに出てくるノッペラボーは、なぜか口だけがある。そのノッペラボーが、荒れ放題の古いお寺の周辺に出没して、何人もの目撃者が出る。それを嗅ぎつけたTV局が、再現番組を組んだりして、騒ぎが起こるのだ。その解明に、エリカ・千代子・みどりの三人組が立ち上がるのである。吸血鬼対ノッペラボー、どっちが勝つのだ? 話は変わるが、エリカの父が、第一話で助けた娘と結婚したらしい。その娘は、高校二年生で、エリカより一っこ下なのだ。後、「主人公というのは、なぜかたいてい美人でスマートと決まっていて、ここでもその常識は通用する」との赤川次郎節が、聞かれた。

◆女の園に狼が
第三話は、エリカが通っている女子高が、誰かに乗っ取られそうになる話だ。ここ一週間ばかり、下校する学生を、男がが見張っているのに、エリカが気が付いて、その男を問い詰めた。問い詰めるやり方が、吸血鬼らしくないのだが、そんなことはまあいい。その男が、どうも事故に見せかけ、死んでしまう。そんなことがあってから、なんと、男子が転向してくることになり、大騒ぎになる。だって、エリカが通っている高校は、女子高だからだ。そして、その男子が、入ったクラスのテストの点数が、ガクッと落ちてしまう。一体目的は、何なのか? 不審に思った英語の教師が、原因を探ろうとするのだが、果たして如何に? それよりも、エリカの父が、催眠術を使って、店から物を、ただでくすねているらしい。吸血鬼だって、駄目だよね!

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