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女学生(新潮社)

本作品は、題名通り女学生に関係する話が、何話か詰まっています。先ずは、オーケストラのコンサートで、マーラーの交響曲第九番を演奏して、「ブラヴォー」の叫びが、ホールの中に渦巻いた後の、アンコール曲が、ワルトトイフェルのワルツ〈女学生〉を演奏した話だ。
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子供部屋のシャツ(文藝春秋)

本作は、久々に怖い話でした。別荘風に、ちょっと小高い丘、林の中に建つ洋館。---真新しくて、それでいて、シックである。この洋館の二階の空っぽの部屋。真中に置かれた椅子の上に、立てかけられたモノクロの写真と、一枚の汚れたシャツ。写真は、恨みのこもった眼差しの男の子
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卒業 セーラー服と機関銃・その後(角川書店)

本作は、題名の通り、あの「セーラー服と機関銃」の続編だ。ダダダダの騒ぎから一年、目高組四代目組長の星泉は、目高組が解散し、高校生に戻っていた。高校三年生で、間もなく卒業の日々を、田代和子や星泉ファンクラブの三人たちと、送っていた。そんなある日、泉が和子と昼休みに校庭をぶらついていると
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殺し屋志願(双葉社)

「かなわねえな、畜生!」通勤通学の満員電車で、女子高生の耳元で聞こえたその声は、ごくありふれたサラリーマンのものだった。女子高生は、その男と向かい合って、キュッと体を押し付けていた。恥ずかしいとか、不愉快とか言っていられるほどの余裕は、朝の通勤通学電車には存在しないのである。
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寝過ごした女神(光文社)

いやー、やっぱりサラリーマンものは、いいですね。「寝過ごした女神」って題も、なるほどです。〈フワリ、ヒラリと、その白い紙きれは風に乗って、飛んで来た。〉この物語の冒頭だ。スーパーマーケットの前に造られた小さなスペース。
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結婚以前(角川書店)

「ウォーオ」と、思いっきり大きな口を開けて、欠伸をした。いささかみっともないが、こうでもしないと、起きる気になれない。それに、どうせ独り暮らしのOLなのだから、誰も見てやしないのである。それにしても---今朝は辛い。どうしたんだろう?「あ、そうか・・・・」ゆうべ・・・・。地方へ転勤になる同僚のための送別会をやった。
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親しき仲にも殺意あり(集英社)

「ある人物を護衛してもらいたい」と、捜査一課長が言った。「は?」ちょっとポカンとしていた女性刑事は、あわてて訊き返した。「護衛だ。組織に命を狙われている。幹部を三、四人は挙げられる重要な証人なんだ」「私が護衛するんですか?」女性刑事には、ちょっと意外な話だった。