早春物語(角川書店)

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来ましたね!私の記憶にないのですが、映画やテレビドラマになった有名な奴です。冒頭で、役員会に来た大会社の常務(常務って言ってもまだ四十代のエリートです)が、十六、七歳くらいの少女に刺される事件から始まった。そして過去にさかのぼり、「もし、私の声と母の声が似ていなかったら・・・・」から、話が進んでいく。少女が家で一人でいると電話がかかってきた。「はい、お待たせしました。XXでございます」「もしもし? XXでございますが--」と電話に出ると、「君か。良かった」と男の声。「明日のことなんだけど、仕事が急に品川で入ったので、品川のPホテルにしてくれないか。一時半から二時の間には、必ず行く」と来た。少女は身に覚えがないので、「かけ違いじゃないでしか?」のところを何故か「はい」と返事をしたのだ。男は、少女のことを母親と間違って、話をしていたらしいのだ。母親の浮気? 父親は、単身赴任していて一向に帰ってきていないのだ。翌日少女は、もちろんPホテルに行った。ホテルのロビーのわきのコーヒーハウスでホテルの入口が見渡せる席に座った。一時二十分だ。・・・・二時半、それらしい男性は一向に現れない。少女は、諦めた。レジに行って、財布を開ける前に青くなった。五千円札を入れるのを忘れたのだ。少女が困っていると、「僕のと一緒にしてくれ」との声、上背のある、いかにもビジネスマンという印象の男性が立っていた。そして、男性はレジの女性に「僕に伝言か電話はなかった?XXって人からだけど」と訊いたのだ。そう、昨日の電話の声でだ。少女が家に帰ると、母親がどうも泣いていたらしい、目が少しはれぼったく見えたのだ。そうか? 少女のせいで、母親は、違う場所で待ちぼうけを食ったのだ。少女は、男性に会いに男性の会社に行った。Pホテルのコーヒーハウスのレジの女性に、男性のことを聞いたのだ。この少女一体何を考えているのでしょうか? まあ、早春なんですね。十七歳となると、子供でもない、大人でもない、微妙な時期ですから、あんなことやこんなことをやってしまうんですよね。でも、冒頭の事件に進んでいってしまったのは、だめですよね。

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