三毛猫ホームズの青春ノート( 岩波書店)

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この本を手にして驚いた。本当にノートみたいなのだ。どうも「岩波ブックレット」といって、市民のための小冊子として出しているもので、そのNO.38なのである。タイトルに「三毛猫ホームズ」とあるが、三毛猫ホームズシリーズではなく、赤川次郎の学生時代から作家になるまでの若き日々を辿ったエッセイなのです。「手帳」という題から始まっていて、「二十年前の手帳は、一ページ一ページ、めくるごとに懐かしい記憶をよみがえらせてくれる」と言ってますが、分かります。私も手帳にその時々の必要なことを書いたりしているので、捨てずに残してあり、時々覗くのであるが、あんなことをしていた、こんなことをしていたなど、懐かしく面白いです。後は、歴史が重要だと言ってます。「今日、世界で起っていることは、昨日の事情を知らなければ理解できません。昨日を理解するにはさらにその前のことを・・・・」と言ってますが、まさにその通りだと思います。私は、歴史に今まで興味がありませんでしたが、昨今起きている戦争で興味を持つようになりました。ロシアのウクライナ侵攻やイスラエルとパレスチナの紛争が、何故起きているのか疑問を持ち、調べたら、過去の長い歴史があるのが分かり、理解できました。今の世の中は、長い歴の上に成り立っているのです。後は、赤川次郎は、「・・・・・・・・」や「------」を使うのですが、その理由が書いてありました。私は、あまり好きではないのですが、しかたない。一番面白かったのは、恋愛経験が無いのに、恋愛小説を書くことが出来るということです。どういうことかと言うと、赤川次郎は、多くの本を読んでます。その読んだ内容が、あたかも自分が経験したことと捉えて、自分の物にしているからとのことです。本をたくさん読んで、知識にしてしまえば、経験しなくても、小説として書くことができるのですね。なるほどなと思いました。「三毛猫ホームズの映画館」や「ぼくのミステリ作法」などもそうでしたが、こういうのを読むと、赤川次郎への興味が深まりますね。

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