ぼくのミステリ作法(角川書店)

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いやー!びっくりしました、作家が小説を書く方法の種明かしをするとは。トリックのかけ方や謎ときの方法などを、実際に書いた小説を使って解説するのだ。小説を書くには、沢山の本を読む必要があるらしい。赤川次郎さんは、相当な本を読んでいますね。しかも、外国の作品を読んでいるらしい。前半の説明では、XXXが書いた、XXXXに出てくる、XXXXXは、どうのこうと説明されているのですが、ほとんどが外国の作品なんです。これだけの本を読んで、知識を詰め込まないと、本は書けないんでしょうね。面白かった内容を紹介します。「もうトリックは考え尽くされて、新しいものは出て来ないだろう」と言われていることに対し、何年か経てば、世の中は大きく変わり、かつては存在しなかった技術、製品が次々に現れるから、ネタは尽きないと言ってます。確かにそうだと思いますね。赤川次郎さんの作品には、先端技術がいち早く登場していると感じてました。でもここで取り上げた先端製品が、ビデオ、電卓、マイコン、留守番電話、ポケットベル・・・・です。いやー、昭和ですね。次は、登場人物の名前のつけ方に相当苦労しているとのことです。適当に付ければいいじゃんと思いましたが、読者の中に犯人や被害者と同姓同名の方がいると気分を害するのではないかと思い、同姓同名が居なそうな名前をつけるとのことです。ここまで気を使って書いているとは、大変なんですね。おまけは、画数が少ない名前にしているとのことです。書くのが楽だからだそうです。なるほど、原稿用紙に手書きしていたんですね。あれ?今でもそうなのかな?? 後半の実作編では、実際の作品に対し、所々注釈を入れて具体的な説明がありました。なるほどなるほど、そうだったのかと感心させられました。今思うと、確かに読んでておかしいと思ったところが沢山あるのですが、苦し紛れにそうなったのだと納得しました。これからまだまだ再読していきますが、「なんか変?」じゃなくて「苦労したんだ」と思いながら読んでいくことにします。

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