プロメテウスの乙女(角川書店)

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本話は、残念ながら昭和を描いた物ではない。書いたのは、昭和であるが、近未来を描いた作品だ。なんと、リニアモーターカーが、走ったりしている。そうそう私は、高校生の時、リニアモーターカーを研究していて、模型などを作っていた。それから四十数年たって、ようやくリニアモーターカーが、実用化しようとしている。感慨深い。そんなことより、本作は、そんな丁度今位の近未来を描いたようだが、そうなっているものと、そうでないものがあるのだ。首相が、独裁者のようになっている。マスコミも社内検閲が行われ、政治批判などできない世の中だ。そんな世の中を変えようと、首相の殺害を計画する、テロ組織も存在する。そんな組織の一つが、三人の女性の体に爆弾を埋め込み、首相の殺害を企てるのである。首相に近づき、殺害するのであるが、失敗して自分が殺されても、体に内蔵した爆弾が爆発し、首相を巻き込む仕組みになっているのだ。一人目の女性は、新聞記者で、首相への接近を企てる。二人目は、教師であるが、アメリカの副大統領の迎えに出る首相の殺害を企てる。三人目の女性は、首相がバックアップする〈プロメテウスの処女〉という組織に侵入し、首相への接近を企てるのである。さて、首相殺害は、成功するのであるのか? まあ昭和は、学生運動など、世の中を何とかしようとする若者たちの動きがあったので、このような近未来を描いたようだが、実際はどうなのであろうか? 今の世の中は、みんな、ぬるま湯に浸かって、自分のことしか考えない、つまらない世の中だと考えるのは、私だけなのだろうか?

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