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哀愁時代(角川書店)

課長は両手を握り合わせて、「本当に自殺したんですか?」「それを調べているんですよ」「というと---」「旅館には、遺書らしいものはありませんでした。女性はたいてい遺書を残すものですがね」「じゃ、事故ではないんですか」「それも考えました」と、刑事は肯いて、「しかし、どう見ても雪の山の中へ、ごく普通の服装で、自分から入って行ったとしか思えないんですよ」
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危険な相続人(角川書店)

「あと五分・・・・」と彼女は呟いた。さて---彼女と別れて、夢見心地のまま、赤いスポーツカーを走らせている彼氏・・・・。と、後ろでクラクションが鳴った。「何だよ・・・・」彼氏は、せっかく彼女とのラブシーンの甘い思い出に浸っているところを邪魔されて、渋い顔で、バックミラーに目をやった。
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乙女に捧げる犯罪(光文社)

ウーン、とその男が呻いて、目を覚ました。もちろん、すぐには自分を殺しに来た人間にも気付かない。やっと、誰かが自分を見下ろして立っていることに気付いて、目をパチクリさせる。「---誰だよ?」「起こしちまったか」と、彼は言った。「もう一度、ゆっくり眠れよ」銃口に気付いて、目を見開く。
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万有引力の殺意(光文社)

「何か音がしたよ」と、娘が言った。「音?」「何か落ちたみたい」「何が落ちたっていうの?」「知らない。でも---」道が曲がって、エレベーターホールに入る口が目に入った。「---まあ」母親が足を止めた。「あれだよ、今の音」---男が、うつ伏せに倒れていた。ちょうど、建物から道へと足を踏み出したところらしく見えた。
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禁じられたソナタ(小学館)

先ずは、本の末尾にあった『解説』の言葉を借ります。〈『禁じられたソナタ』は、・・・・赤川氏の持ち味がよく生かされたホラー・ストーリーの秀作である。読者のなかには、ホラー・ストーリーの「ホラー」と、ホラ話やホラ吹きの「ホラ」を混同している人もあるようだが、この二つは、本来まったく別の言葉である。
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本日もセンチメンタル(角川書店)

題名の『センチメンタル』って、最近あまり聞かないなー、ってことで、調べてみました。〈センチメンタルとは、過去の出来事や思い出に強く心を動かされて感傷的・涙もろい気分になることを指し、日本語では「感傷的」「物悲しい」「ノスタルジック」といったニュアンスを含む言葉です。〉だそうです。
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雨の夜、夜行列車に( 徳間書店)

この『雨の夜、夜行列車に』は、面白かったです。三組の人たちが、夜行列車で、出かける話が、オムニバス形式で進む。一組目が、元大臣だった老人と付き人だ。「今日は午後から本降りになるとか、底冷えがするかも分かりませんよ。---ご旅行は少しのばされては?」「そうはいかん」元大臣は首を振った。
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天使と悪魔(角川書店)

新シリーズの『天使と悪魔』だ。下界に下りて、人間と同じ高さで眺めて、世の中のことを見て来るようにと、天国から研修に来た天使と、地獄で、あんまり怠けていたので、地獄から叩き出された悪魔が、刑事に協力して、事件を解決していく話だ。
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ベビーベッドはずる休み(集英社)

出た!南条家!!相変わらず、この家族面白い!!!前作では、『父は、出番が少なかったので、良く分かりませんが、多分面白いと思います。』と、書きましたが、今回、父は、大活躍です。それよりも、次女の美知と対立していた不良グループにいたケンが、何と、長女の麗子と結婚していて、子供まで生まれていたのだ。
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七番目の花嫁(角川書店)

ちょっとヨーロッパ風に、店の中から開け放して道にはみ出すように作られたカフェテラスで、三人はティータイムと洒落ていた。だからドン・ファンも亜由美の足下でのんびり寝そべっていられたのである・・・・。隣のテーブルのその女性---ドン・ファンの泣き声に気付いて、「あら、可愛い。---何ていうの?」と、声をかけて来た。