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〈私は、ここで一体何をしているのかしら?私が、今、ここにいることは、人類の歴史にとって、どんな意味があるのだろう?---佐々本綾子は、哲学的思索に耽っていた。〉本作の冒頭だ。分かります、分かります、私も良く、〈人間は何のために生きているのか?存在しているのか?〉と、考えます。綾子の耽る〈私が、今、ここにいることは、人類の歴史にとって、どんな意味があるのだろう?〉も考えます。これには答えがあり、〈世のため人のため、歴史に残ることをするために、ここにいるんだ〉と。私自身が、歴史に残ることができなくても、私の子孫の誰かが、歴史に残ることを、きっとしてくれると、信じています。そうすれば、私が、ここにいる意味が出てきます。なんちゃって?・・・そんなことはさておき、既に今年も余すところ数日、三姉妹は、ホテルで食事をしていた。「年末年始はどうするの?」と、珠美。「何も計画していないんだもの。今からどこかに行こうったって、無理よ」と、夕里子。「そうか・・・・。つまんないな」と、珠美はふくれっつらで、「クラスの子、みんなスキーとかスケート、温泉とか、行くんだよ」「お風呂なら、うちでは入れるじゃないの」と、綾子。綾子健在だ。そこへ、綾子の通っている大学の教授が、現れた。「佐々本君、この年末年始は予定あるのか?」と、教授。「はい」と、綾子。「そうか。残念だな」と、教授。「ずっとうちにいる予定です」と、綾子。綾子、全開。教授は、山荘に住む、十三歳の家庭教師を探していて、泊まり込み一日一万円、一人で来るのが心細ければ、友だちとでも良いとのことだ。「姉妹じゃどうでしょうか?」「珠美!図々しいわよ」「いや、構わんとも」珠美が、身を乗り出すようにして、「みんなタダですか?」「あんたは図々しいの!」「もちろんさ。向こうは、何でも親の遺産で悠々と暮らしているらしい。そんなこと気をつかう必要はないよ」・・・。「---じゃ、引き受けてくれるな?」と、マネージャ的存在が夕里子であると察した教授は、直接夕里子に訊いた。夕里子は、少し考えてから、「--結構です」と、答えた。やば、受けちゃった。こんなおいしい話がある訳がないのに・・・・、まあ、受けないと、話が進まないか?そして、家庭教師を依頼した母親が、綾子たちのマンションを訪ねて来た。ちょうど、用事があって東京に来たらしい。これから、山荘に車で戻るので、乗っけていくとのことだ。三人姉妹と、たまたま来ていた、国友刑事が、母親の車を運転して、山荘に向かうのだ。いやいや、今回も、あんなことや、こんなことの、事件が、三姉妹を襲うことになるのだ。
『シリーズ登場人物』


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