【広告】スポンサーリンク |
◆私への招待状
なかなか良い作品でした。完全犯罪ね。二十九歳の独身OLが、またすごい計画を立て、実行するのだ。主人公のOLが、同期入社で、同じく二十九歳の独身OLの同僚と、金曜日に、スナックを三軒回った。そして、主人公のOLが、同期OLをアパートに送って来たのだ。部屋に入ると、手紙が来ていた、結婚式の招待状だ。同期OLが、手紙の封を切って、「何よ。これ!」と、大声を上げた。何と、新婦の名前が、同期OL自身であったのだ。新郎の名は?というと、同じ会社の営業にいる二十七、八歳の独身青年で、長身二枚目で、仕事もできてエリートコースを順調に歩いている、独身OLたちの、熱い視線を集める男だったのだ。誰かのいたずらか?同期OLは、まったく見覚えがないのだ。翌日、二人で、案内状を出した結婚式場に来た。係りの女性は、同期OLを見るなり、「あ、先日はどうも」と、にこやかに挨拶するのだ。事情を説明すると、同期OLとよく似た女性と男性のカップルが、申し込みに来たという。案内状を出した先のリストを見せてもらうと、ほとんどが会社の人で、課長の名や営業部長の名もあるのだ。えらいことになった。今度は、二人で、新郎の名にあった営業部員を訪ねた。「しかし、悪質ないらずらだなあ」と、営業部員。同期OLには、微妙な諦めの色がある。営業部員が、内緒で本当に申し込みをしたとの期待があったからだ。この招待状が、いたずらだとわかると、婚期を逃したハイミスが、自分で招待状を出したのではないかなど、からかわれ、同期OLが傷付くので、主人公のOLは、営業部員に、一旦は、本当に結婚する予定だったことにし、その後、営業部員の事情で、婚約を解消するように、頼んだのだ。営業部員は、「分かりました」「こういう場合は、悪役は男が引き受けるべきでしょうね」と、依頼を受けたのだ。この営業部員、えらい! そしてしばらく経ってから、夜中に、主人公のOLに電話が来た、営業部員からで、「大変なことになって。困っているんです」「来てもらえませんか」と、来た。主人公のOLが、指示されたラブホテルに行くと、何と、同期OLが、自殺していたのだ。営業部員が、シャワーを浴びている間に、同期OLが、睡眠薬を飲んだらしいのだ。営業部員の「どうしたらいいんでしょう」に、主人公のOLは、「簡単よ」「逃げるのよ」と、来た。何だ、この主人公のOLは、いい加減な奴?と、思いきや、完全犯罪へ向けた、準備に過ぎなかったのです。この主人公のOLは、凄いです。
◆恋愛届を忘れずに
「捕まえたわよ!」と、いきなり腕をつかまれた。銀座の人混みのど真ん中で、大学生の男がだ。「おい、何だよ!」と、大学生の男が、手を振り離そうとしたが、相手は、がっちりと男の腕を握っているのだ。「さあ、返してよ!早く返しなさいよ!」と、大声で騒いでいるのは、十八、九の女の子だ。クラシックの事務服を着込んでいる。昭和の時代で、クラシックだなんて?どんなんだ?女性社員の事務服って無くならないですよね。2007年の男女雇用機会均等法をきっかけに、女性社員の事務服や制服を廃止する企業が増えたらしいですが、その後また、事務服や制服の人気が高まっているみたいですね。色々理由はあるみたいですが、仕事で女性が、目のやり場がない服を着られていると、確かに困りますよね。昔ありました。「ちゃんと店から出るところを見たのよ、封筒を持って」「その赤いジャンパーとジーパンは、ちゃんと・・・・」男は、クリーム色のスラックスをはいている。すると、事務員が、泣き出してしまった。仕方なく、男は、事務員を、恋人の家に連れて行く。男と恋人が、事務員から話を訊くと、ある重要な契約を取りつけないと会社が潰れるとのことで、その契約の書類を、先方に届けるように、専務と課長に呼ばれ、指示を受けたとのことだ。そんな重要な書類を、新人の女の子に持たせるとは、そもそも専務と課長、怪しいですよね。レストランで、専務の秘書から書類を受け取り、店を出ようとして立ちあがったら、ウェイトレスとぶつかって、運んでいた水がこぼれて、書類が濡れないように、座席の奥にやったすきに盗まれたとのことだ。まずは、ウェイトレスが怪しいと、ウェイトレスのマンションに三人で行くのだ。マンションの部屋には、ウェイトレスはいなかったが、男が死んでいた。赤いジャンパーとジーパンの男だ。やはりぐるだったのだ。次は、大学生の男の恋人が、専務を訪問する。この恋人の父親が、いくつも会社を持っていて、この会社に取引がある、会社の社長の娘として、面会しに来たのだ。「これは社長のお嬢様で」と、専務は機嫌がいい。「実は、私の友達が一人、こちらで働いていますの」と、切り出し、できる子なんで、責任ある仕事を、彼女にさせてあげてくださいと、頼むのだ。そして、友だちの名前を言うと、専務の顔色が変わった。もちろん、書類を盗まれた事務員の名前を言ったのだ。「彼女どうかしまして?」に、「「は---いえ---どうかした、とは?」「友だちの名前を聞いたら、青くなったわ」「いえ、そんなことはありません!決してそんな---」「ただ---あの---」と、しどろもどろなのだ。やっぱりね。さて、どんな陰謀だったんでしょうか?
◆町が眠る日
朝から、すばらしく晴れ上がっていた。日曜日で、こんなにきれいな青空が、朝から広がっているとなったら、当然、子供たちは大喜びである。そして、疲れ切った父親は恨めしげに、眠そうな目で、澄み切った空を見上げるだろう。しかも、この団地の大運動会の日だ。運動会の役員は、五十人近くいて、三か月も前から、準備を進めて来たというので、団地の規模の凄さが分かるだろう。大運動会は、団地から、二百メートルほどの距離にある小学校で行う。私の別荘も、小学校が近くにあり、この間の日曜日に、運動会らしい、歓声と音楽が聞こえてました。ドン、ドンと爆発音がした。そうそう、昭和の時代は、LINEや電子メールなどの一斉の連絡手段んがなかったので、運動会を開くかどうかの連絡を、花火を打ち上げって行ってましたよね。懐かしい。でも今じゃ、うるさいと苦情になっているみたいです。この花火の音で、男が、目を覚ました。雑木林の中だ。男は、欠伸をした。---腹が減っている。林の中をかき分けて行くと、突然、目の前に、大きな建物が立ちふさがった。人の声がして、男は反射的に、林の中へ後ずさった。「早くしなさいよ!」と、苛々した女の声。「置いていくわよ!」「XXちゃんを待っている」と、女の子の声が答える。「ここで」「うん」「ママ、先に行ってるからね」足音が、せかせか遠ざかっていく。男は、ゆっくりと立ち上がった。六、七歳の女の子が、赤いバスケットを両手で持っていて、退屈そうに立っている。不意に女の子が男の方を振り向いた。突然で、隠れる余裕もない。二人は顔を見合わせていた。女の子が、ニッコリと笑ったので、男はホッとした。「やあ」男は、声をかけながら、出て行った。「こんにちは」と、女の子が、小首をかしげた。「何してんの?」「うん・・・。ちょっと道に迷ってね」「迷子?大人なのに?」女の子は声を上げて笑った。男は、女の子が下げているバスケットに目をやった。「何を持っているんだい?」「運動会なの。そのお弁当」「そうか」男の腹が、タイミング良くグーッと鳴った。「お腹空いているの?」「うん、ちょっとね。---ゆうべから食べてないもんだから」「おにぎり、あげようか?」「いいのかい」「うん。でも---みんなの分だから、一つだけだよ」「ありがとう」男は、ちょっと周囲を見回した。「---そこの木の陰に行こうよ。人が通るとみっともない」「うん」女の子は、トコトコと歩き出した。男は、軽く女の子の肩に手をかけた。女の子、大ピンチ!昭和の時代も、「知らない人について行ったらだめよ」と、教えていたはずですが。親切に、おにぎりをくれるという、女の子に・・・・・。
◆私からの不等記号
四十歳のエリート課長が、女子高生とホテルいる所から、話が始まる。女子高生がシャワーを浴びているときに、鞄の中を覗いて、学生証を見たので、十六歳の女子高生に間違いがない。課長の娘と同い年だ。女子高生から、「どう?」と、課長が声をかけられたのだ。課長が、家に帰り、お約束通り、お茶漬けを食べる。食べ終えて、つい夕刊に手が伸び、社会面を素早く見る。出ていない。当たり前じゃないか!今夜の事件が、どうして夕刊に出るんだ?分かっていても、見ずにいられなかったのである。?!何か事件があったのかな?まさか、女子高生とホテルに行ったことが、事件?? その二か月後、何と、ホテルに行った女子高生が、課長の会社を訪ねて来たのだ。女子高生は、課長の名刺を失敬したらしい。課長が、ちゃんとしてないので、こういうことになってしまうんだ。強請りに来たのかな?課長、ピンチ!とりあえず、少々値段が高いレストランに連れて行き、ランチを食べることにした。「わかってるんだ」「何が分かってるって?」「ああいう相手とは一回限り。それがお互いのためだもんね」と、女子高生。分かっているのに、課長に会いに来たとは、やはりあやしい。課長がチラッと腕時計に目をやる。「もう、会社に戻るの?」「いや、もう少し大丈夫だ」「でも、あんまり時間潰させちゃ悪いわ。出ましょうか」と、レストランを出る。課長が、「これ---」と、一万円札を渡そうとすると、「なに、これ?」「いや---昼を付き合ってもらったからね」「いらないわ」女子高生は、ちょっと不機嫌そうな表情になって「私、別にあなたにたかりに来たんじゃないもん。お昼ごちそうになっただけで充分」と、来た。「何もしていないのに、お金なんか取らない!」と、投げつけ、足早に行ってしまった。なにそれ?何しに来たの?? あ!忘れた、名刺を取り返すのを。名刺が無ければ、ホテルに行ってないと、しらを切ることができる。学生証で見た学校は、知っている。課長は、女子高生の学校に向かうのだ。学校に着いたが、どうしたもんかと、校庭を囲む金網沿いに、ぶらぶらと歩いていると、「---おじさん。ねえ、おじさん」と、女子高生が、金網の向こうで、笑っている。「今日は時間あるの?」「でも、まだ終わらないんだろ?」「終わらせたって構わないわよ」と、女子高生が、学校を抜け出してくる。だんだん深みに嵌っていくが、どうなんだ?結果は、さておき、なかなか良い話ですよ!
コメント