三毛猫ホームズのクリスマス(角川書店)

【広告】スポンサーリンク


◆三毛猫ホームズの飛び石連休
またまた、三毛猫ホームズの短編集です。飛び石連休ね?昭和の時代はよくありましたね。法律で祝日の決め方が変わって、飛び石連休減りましたね。私は飛び石連休好きでした。仕事を頑張って、明日休みだと、たらふくお酒が飲めるからです。そう言えば、今私は毎週飛び石連休です。オー!片山刑事が、気を失ってしまってひっくり返った。いきなり棺の蓋が、ガタッと音を立てて開き、中からヌッと男の顔が覗いたからだ。情けない、警視庁捜査一課の刑事か? どうも劇団の公演の宣伝らしい。この劇団は、赤字続きで、解散の危機に瀕していたらしいが、ふらりとやって来た今のマネージャーが、立て直しを計ったとのことだ。演技力はともかく、見た目のいい男女、数人をまずTV局に売り込んで、いくつかのドラマに出演させ、人気が出て来ると、CMや、モデルなどにも出演させて、劇団の財政を立て直した。それから、ミニコミ誌や、劇団専門誌にもコネを持っていたらしく、団長のことを書かせるのに成功した。そして、十八歳の女の子が、劇団に入った。マネージャーは、この子の持つ、奇妙に大人びた魅力に注目し、レコード会社に連れて行った。歌のほうはひどかったが、変わった魅力があるということで、彼女は歌手としてデビューした。半年後、彼女の歌は大ヒットしたのだ。そして、劇団の会計も黒字を出すようになったのだ。本当なのかね、世の中そんなに甘くはないと思いますが? この劇団が、公園で講演すると聞いて、三毛猫ホームズ一行が、見に来たのであるが、事件起きますよね。なんと殺人事件が起きてしまう。誰が殺されて、その犯人は如何に?
『シリーズ登場人物』

◆三毛猫ホームズの子守歌
「僕はエリートなんです」の言葉で始まった。エリートね?自分で言うか?エリート大嫌い。僻みか? そのエリートが、出張先から徹夜で車を飛ばして家に帰ってきた。家で妻が迎えてくれたのだが、何か妙なのだ。まるで他人の家へでも上がり込んでいるような、そんな場違いな感じを受けたのだ。そうだ、生まれた長男の顔でも見るかと、奥の部屋のベビーベットをのぞき込んだ・・・。晴美が石津刑事と三毛猫ホームズとで、学生時代の友人の家に遊びに来ていた。すると、玄関のチャイムが鳴った。来たのは、隣に住むエリートだ。手に大きなキューピットさんを持っていて、「うちの子が---この人形に化けちまったんです」と言ったのだ。晴美と友人が、隣の家に行ってみると、「うち、赤ん坊なんかいません」「あの人、疲れているんです。このところ、ほとんど休みなしに働いていますし、無理をしているんです」「ノイローゼじゃないんでしょうか。子供が欲しいという気持ちが昂じて、実際に生まれたんだと思い込んだとか・・・」とのエリートの奥さんの話しだ。いったいどうなっているのだ?エリートって、やっぱこうなっちゃうんですかね?晴美が家に帰り、片山刑事にそのことを話していると、「大変なの!すぐ来て」と友人から電話が来た。友人の家に行ってみると、エリートがいた。どこか虚ろな目で、宙を見ている。そして、ダラリと投げ出した両手が黒く汚れているのだ。隣のエリートの家に行くと、奥さんが刺殺されていた。捜査が始まると、「ギャア」と聞こえた。押入れを開けると、布団の上に、チョコンと、赤ん坊が乗っかっていたのだ。翌日、また「すぐ来て」と友人からの電話。行ってみると、なんと殺されたはずのエリートの奥さんがいたのだ。???どういうことなのだ。

◆三毛猫ホームズの離婚相談
「参った!」片山刑事が、ぐったりと椅子に座り込んだ。晴美のデパートでの買物の荷物持ちで引っ張り回され、参っているのだ。椅子の周りに買物の包みを置いて休んでいると、階段を三十前後の女性がふらふらと降りてきた。そして、片山刑事の座っている椅子の方に来て、よろけて床に膝をついたのだ。片山刑事は、女性をかかえて椅子に座らせた。女性は、ハンドバックからハンカチを出して額を拭い、片山刑事にハンカチを濡らしてくるように頼んだ。片山刑事が、ハンカチを濡らして戻ると、女性が居ない。買物の包みも全部無くなっていた。やられた!刑事が置き引きにあったのだ。晴美は・・・。「被害者は、四十五歳」、大学の教授が殺された。片山刑事が、被害者の奥さんに話を聞こうとすると、目を見張った。驚いたことになんと被害者の奥さんは、片山刑事が置き引きされた女性だったのだ。こんな偶然ってあるんだよね、小説では。置き引きはさておき、殺人事件の方を聞くと、教授が殺された夜は、教授の実家に行っていて、実家に泊まったのことだ。旦那の実家に旦那抜きで一人で行って泊まることってあるのかな?何か怪しい。旦那の教授が、若い女性と不倫をしていて、その相談に行って夜遅くなってしまったので、泊まったと言うのだが?教授の実家に行って、教授の母親に話を聞くと、奥さんが言った通りだった。腑に落ちない。そこで、教授の不倫相手に話を聞くと、あっさり不倫を認めて「犯人は、奥さんでしょ」「夫が殺されると、大体妻が犯人っていうじゃない」と言うのだ。そして、「先生ね、私のほかにも恋人がいたのよ」『僕のことを本当にわかってくれている女は、一人だけだよ』と、教授が言ったそうだ。第三の女登場。さあ片山刑事何とかしろ!三毛猫ホームズの出番は?

◆三毛猫ホームズの通勤地獄
「助けてくれ・・・」片山刑事が、ねじれた体の奥から、絞り出すような声を出した。ちょうど、濡れた雑巾を両手でキュッと絞ったときみたいに、体がねじれてしまっている。何事だ!事件か?って、ラッシュアワーの国電の中なのだ。分かります、私も通勤地獄と戦っていました。日本一混むと言われていた地下鉄で通勤してました。まあ、通勤地獄と戦うには、コツがあるのですが。片山刑事は、たまにしか乗らないので、こうなってしまうのでしょうね。おまけに、「痴漢よ!やめて!何するのよ!」と、片山刑事は、手をぐっと握られ、「公安官に突き出してやるから」ときた。現行犯だ。片山刑事が、公安官に身分を明かして説明していると、痴漢といった若い女性は、どこかに行ってしまった。片山刑事が、アパートに帰って、晴美にその話をしていると、なんと、その若い女性が片山刑事を訪ねてきたのだ。その若い女性は、「仕方なかったんです」「私、殺されるところだったんです」と言うのだ。社長をしていた父が亡くなり、若い娘が会社の株を含めた財産を相続した。次期社長について、副社長と常務が社長争いになったので、若い娘が、二人を家に呼んで話をしたが、けりがつかず、二人を運転手つきの車で帰したが、その車が事故に合い、三人が死んでしまった。仕方なく、若い娘が社長になったのであるが、会社では、若い娘が車に細工をして、三人を殺したのだと噂になり、命を狙われているというのだ。実際に二度も殺されかかったらしい。片山刑事どうする。三毛猫ホームズは?

◆三毛猫ホームズのクリスマス
「全くもう!」、誰が言ったか分かりますよね?晴美です。「いくら、方向音痴ったって、右と左を間違えるなんて、ひどすぎるじゃないの!」いつものことだ。全寮制の女子高の警備員をしている片山刑事の大学時代の友人に、一週間ほど旅に出なきゃならないので、その間、学園に泊まってくれと頼まれ、学園に向かっているところで、道を間違えたのだ。でも何で晴美が?もちろん石津刑事ともう一匹もいるのだ。みんな暇なんだね。学園は冬休みであるが、実家に帰れない生徒五人が、寮に残っているとのことだ。何とか寮に辿り着き、生徒五人と食事をしているときに、警備員の友人は、学園の先生と結婚して、ハネムーンに行っていると聞かされた。片山刑事は、何も聞かされていない。そしたら、その結婚相手の先生が現れたのだ。今日が結婚式であったのに、〈結婚式は取り消す〉と伝言があり、警備員の友人が来なかったというのだ。先生は、親族の前で大恥をかいたと、怒っているのだ。おかしい、友人は、そんないい加減な男でないはずだ。片山刑事は、石津刑事のイビキで、夜中に目を覚ました。調理場にコーヒーがあると聞いていたので、部屋を出ると、晴美とホームズもコーヒーを飲みに行くところに出くわし、一緒に調理場に向かっていると、ガチャンと音がしたのだ。駆けつけると、結婚式をすっぽかされた先生が、手首を切って立っていたのだ。応急処置をして、救急車を待っていると、石津刑事が、男が死んでいると言いに来た。片山刑事が行ってみると、死んだ男は、警備員の友人だった。さらに別な部屋で女性が倒れているのも見つかった。次から次に事件で、三毛猫ホームズ一行は、天手古舞なのである。

コメント