百年目の同窓会(徳間書店)

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ある団地に住む男が、夜中にふと目を覚ました。時計を見た。三時四十分だ。こんな時間に、何だって目が覚めたのだろう?とぼやく。私は、三時四十分ならもう起きてます。なんたって早起きなんです。まあ、年寄なんで、仕方ない。男が、隣の布団を見ると、空になっていて、妻がいない。男が、寝室から廊下に出た。台所も、トイレも。明かりが点いていない。玄関を見ると、ドアチェーンが外れている。男が、外に出ると「助けて!誰か!助けて!」と、ほとんど半狂乱の声、妻の声だ。男が、妻を見つけると、声を聞いて飛び出して来た何人かの住民たちに囲まれていた。「奥さん、落ちついて!」のなだめに、妻は、髪を振り乱して「殺される!あいつが殺しに来る!」と、まだ叫んでいる。男が妻を抱き止めると、「あなたは---どなた?」「私はメアリです」と来た。そしてさらに「どなたか存じませんけど---」「馬車を呼んで下さなない?」と、来たのだ。話は変わって、芳子の屋敷に、ホームズが訪ねて来た。そして、ホームズは、芳子に、何枚かの新聞の切り抜きを見せた、①主婦が、突然夜中に外へ出て、自分はメアリだ、と言い出した、②身元不明の女性が保護されてが、どう見ても日本人なのに、エリザベスと名乗っている、③勤めていた会社で、急に気を失って、意識が戻った時は、アニーと名乗った、の三件だ。そして、後二人、こういう女性が出るという「一人はキャサリン、もう一人は、メアリ」なのだ。そうです、一八八八年に、ロンドンで発生した〈切り裂きジャック〉事件だ。メアリ、エリザベス、アニー、キャサリン、もう一人のメアリは、〈切り裂きジャック〉事件の被害者なのだ。そこへ、今度は二人の女性が、芳子を訪ねて来た。二人は姉妹で、なんと姉が「私、メアリ・ジェーン・ケリーです」と、挨拶したのだ。芳子は、メアリと名乗る姉を、芳子たちが入院している病院の第九棟に、入院させたのだ。新聞に出ていたメアリ、エリザベス、アニーと名乗る女性たちを探し出し、第九棟で保護することにしたのだ。そんな中、第一の犠牲者が出てしまう、アニーだ。喉が、まるで切り裂いたようにパックリと開いて、真っ赤な血潮が、胸から肩から、ガウンのほとんど半分近くまで広がっている状態で発見されたのだ。切り裂きジャックが、本当に現れたのだ。しかし、何で急に、切り裂きジャックの被害者の名を名乗るようになったのでしょうか?殺されるようなものなのに、不思議です? 華麗なる第九棟の面々は、切り裂きジャックに、どう立ち向かうのでしょうか??
『シリーズ登場人物』

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