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新設されたピアノコンクールが開催された。十二人出場で、十一人の演奏が終了している。日本のピアノ界の一つの流派を作った、もう七十代も後半の女のピアノの先生も、審査員の一人になっている。その先生の一番弟子が出場しているので、優勝は決まったも当然って感じだ。そして、最後の演奏者が出てきたが、みんな啞然となった。なんと、当たり前のスカートと、カーデガン姿だったのだ。さらに、泥棒マスクを被っていたのだ。「何だね、君、その格好は!」の審査員の問いに「事情がありまして、どうしても、顔を見られたくないのです。決して不正をしようとするものではありません」「ともかく不愉快だ。そのマスクを外しなさい!」に、一番弟子の先生が「構わないじゃありませんか」「私たちの判断基準は、演奏です」と、助け船。泥棒マスク女が演奏した。結果、言わなくても分かりますよね。話は変わって、「片山さん!」弾むような声が飛んで来るなり、その声さえ追い越しそうな勢いで、若い女性が駆けて来ると、片山刑事に抱きつき、熱烈なキスをした。ええーーーどうなっているの?知らぬ間に、片山刑事が?? ここは音楽の都ウィーン、ドイツの古城ホテルの殺人事件(三毛猫ホームズの幽霊クラブ)を解決した片山刑事たち一行が、その足で、ウィーンにやって来たのだ。そしてお相手の女性は、ヴァイオリン・コンクールに絡む殺人事件(三毛猫ホームズの狂死曲)で優勝した女性だ。彼女は、優勝して、ウィーンに演奏旅行に来て、そのままウィーンに居座っているらしいのだ。その彼女が、片山刑事たちに、相談したいことがあるらしい。彼女が、ウィーン空港へ人を迎えに行くように頼まれた。コンクールで優勝した子の迎えだ。そうです、冒頭の泥棒マスク女を迎えに行ったのだ。ところが、彼女が、空港に迎えに行って、泥棒マスク女に会うことができたが、お手洗いに行ったきり戻ってこず、泥棒マスク女が、行方不明となってしまったのだ。来た来た来た来た、片山刑事一行の前には、事件しかないのだ。音楽の都ウィーンで、どうなることやら?
『シリーズ登場人物』
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