ビッグボートα(光文社)

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本作は、大手重工業会社が希金属の精錬プラントを南米の国に輸出する話だ。ただし、その国は現在内戦状態にあり、現地での精錬プラントの建設はできない。そこで、日本で精錬プラントを建設し、船で精錬プラントを運ぶという壮大なプロジェクトを計画したのだ。もちろん敵がいて、運搬を邪魔しに来ることが考えられる。この日本から南米の国にプラントを運ぶ責任者に、三十六歳の営業担当の男が選ばれた。この男、発電所建設のデータ改ざんを、反対同盟に知らせてしまい、現在謹慎処分中の男だ。安全性のデータは不正確で、なかには故意に変えられたものもあり、安全性に問題がるため、会社のことを思って、反対同盟に知らせたらしい。今回はこの正義感が買われて、社長からこのプロジェクトの責任者に任命されたのだ。プラントの建設は呉市で行われた。呉市ね!行きました。私の初の出張が呉市でした。田舎から出てきて右も左も分からないときでの出張で、海上自衛隊や造船所があり、驚いた記憶があります。いやー懐かしいですね。責任者の男には、敵の邪魔をどう防ぐかの課題が課せられた。もちろん武装などはできない。この課題に、男は突拍子もないことを考え付いたのだ。そして、精錬プラントの建設が完成して、南米の国へ出港したのだ。乗組員は、責任者の男、責任者の部下、料理係の新人社員、呉工場の産業医、それととある研究所の所長とその女性助手の六人だ。三か月、二万五千キロにも及ぶ航海がスタートしたのだ。出航早々に倉庫に発信機が置かれているのが見つかった。レーダーで船の位置を知るための発信機だ。しかし、この発信機は、電池が1か月しか持たない。途中で電池を交換する必要がある。乗組員のなかにスパイがいるのか? そして、第一回目の攻撃が襲ってきた。3艘のボートで時限爆弾を仕掛けに来たのだ。しかし、責任者の考えた突拍子もない作戦で、見事撃退したのだ。でも安心はできない。さらなる攻撃が襲ってくるのだ。さて無事に精錬プラントを運ぶことができるのでしょうか?

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