【広告】スポンサーリンク |
◆英雄たちの挨拶
「華麗なる探偵たち」はすごい!その題の通り、華麗な人物、名探偵シャーロック・ホームズ、三銃士ダルタニアン、巌窟王エドモン・ダンテス・・・(?)などが集めって、探偵の真似事をしているのだ。鈴木芳子が二十歳の誕生日に、三年前に亡くなった実業家の父の数億円の遺産を受け継いだ。この遺産を、叔父夫婦とその息子の従弟が狙っている。芳子の二十歳の誕生日に叔父夫婦と従弟が来たが、芳子が「遺産は、慈善事業に使う」と、三人を追い返したのであるが、薬を盛られて倒れる。そして芳子が、叔父夫婦に、怪しげな病院に連れていかれ、一生出られないという九号棟に放り込まれてしまうのだ。その九号棟に、名探偵シャーロック・ホームズ、三銃士ダルタニアン、巌窟王エドモン・ダンテス・・・などなどと思い込んでいる面々が、暮らしていたのだ。芳子が、皆に、ここに放り込まれた経緯を話すと「けしからんことだ!こんな罪が罰せられずにいるはずがない!」と、この事件の解決に立ち上がったのだ。でも、この九号棟からは、一生出られないのにどうするかと思いきや、なんと、エドモン・ダンテスが、抜け穴を掘っていて、この九号棟から外に抜け出せるのである。そして、この面々が、みごと事件を解決してくれたのだ。これだけのメンバーがいれば、なんだってできるよね。芳子は、自由の身となったのであるが「夜はここで、昼はあそこで、二重生活をするのも楽しいは」などと言って、九号棟に留まり、この面々と、探偵の真似事を始めることにしたのだ。いやー、とういうことで、華麗なる探偵たちの活躍が、口火を切ったのだ。さて、どうなることやら?!
『シリーズ登場人物』
◆死者は泳いで帰らない
芳子のところに、「ここに来ると、警察で投げ出してしまったような事件でも、もう一度調べてもらえるとの噂を聞いた」と、両親を亡くして、姉弟で暮らしている姉が、訪ねてきた。噂を聞いた?SNSが広まった今ならわかるが、昭和って、どのように噂が広まったんだっけ?おばさんたちの井戸端会議しか思いつきませんが、まあいいか。話を聞くと、弟の通っている高校の事務長が、姉に「弟が、校内で行う水泳大会を辞退して欲しい」と、頼みに来たのだ。どうも学校で、新体育館を建設したのであるが、資金が集まらず困っていたところに、「息子を今度の高校水泳大会で、本校の代表として出すのであれば、資金の不足分を出す」と、持ち掛けてきた大地主の父兄がいるとのことだ。水泳大会の代表になるには、校内水泳大会で優勝する必要があるが、姉妹の弟が邪魔だということなのだ。姉は「そんな筋の通らない話、納得できませんわ!」と、事務長を追い返したという。その後、市のプールで練習をしていた弟が、プールの底に沈んでいるのが見つかった。警察は、事故として片付けてしまったが、泳ぎが得意な弟が、プールで溺れて死ぬはずがないと、芳子のところに調査依頼に来たのだ。早速、市のプールの監視員、高校の事務長、父兄の大地主、高校の校長と話を聞きに行ったのであるが、決め手がない。問題は、泳ぎの得意な弟を、どのようにして溺れさせたかである。皆で考えていると「私にちょっとした考えがあるのだがね」と、もちろん言ったのは、シャーロック・ホームズです。さて、犯人は誰なのでしょうか?
◆失われた時の殺人
定年退職した警視庁の元警部と二十七歳の娘が二人で暮らしている。その元警部が、回想録を書くと言い出した。娘の「パパ--文章なんて書けるの?」の問いに、「小学校の作文の時間にほめられたことがあるんだ」などと言っているのだが、「ボケなくていいかもしれないわよ」と娘、やってみることになったのだが、大丈夫か?昔のやばい事件なんか掘り返すことになり、問題が起きないか?ああ、それが手なのか。庭にプレハブの離れを建てて仕事場にし、本格的に書き始めたのだ。ある日、娘が仕事から帰ると、家の玄関に男がいて「いいか!絶対にそんな物は書かせないからな!」「どんなことをしてでも、邪魔してやる!殺してでもな!」と、怒鳴っているのだ。ほらやっぱりね、お約束通りの展開だ。この男は、元刑事の同僚の息子で、同僚は、買収されたと疑われ、それに抗議して自殺している。そして奥さんも、少しして後を追ったのだ。この事件の事を回想録に書くと聞いて、息子が抗議に来たのだ。元警部は、真相を知っていて、それを書くとのことだ。そして、プレハブの仕事場で、元警部の死体が見つかる。仕事場は鍵がかかっていて、密室だった。死因は心臓発作で、自然死として処理されたのであるが、仕事場から回想録の原稿が見つからないのだ。結構、書く書くとふりだけして、実際は一枚も書けていないってありますよね。そんなことじゃないかと思いましたが、娘は疑問に思って、芳子に調査依頼したのだ。早速、芳子とホームズが、元刑事が亡くなっていた仕事場の調査に取り掛かるのである。話は変わるが、ダルタニアンってすごいよね、いきなりホールイワンをぶちかますとは、驚きました。
◆相対性理論、証明せよ
相対性理論、そうですアインシュタイン博士の登場です。学者とは、学問の研究や教授に従事し、学問の専門家、豊富な知識のある人である。そうね、私も小さいころ学者になろうと思ってました。今でも研究するのが大好きです。それはさておき、時々アインシュタイン博士になってしまう理論物理学者は、一昔前の浮世離れした学者で、ほとんどの学者が、企業の顧問をして、ぜいたくな生活をしているのに、一向にそんなことには興味を示さないのだ。それどころか、唯一の収入源だった、某大学の講師の席も失われ、一人娘が大学を中退して勤めに出ているのだ。その父の学者が「物理学の根本に関わる大原則」を発見したので、発表すると言い出し、今日行われる学会の発表会場に行ってしまったのだ。娘は、今の父がどんなすばらしい理論を発表しようが、受け入れられるはずもなく、笑いものになるのが分かっているので、父を止めに、唯一の父の弟子と一緒に、発表会場で父を探すのであるが、見つからず、最後の講演が終わってしまうのだ。すると「追加講演が一つございます」と司会者が、「テーマは〈相対性理論〉、演者は・・・ええと、〈アインシュタイン博士〉です」とアナウンスしたのだ。そして父が壇に上がり「私は、物理学を根底から変えてしまう原理を発見したのです」と始まってしまう。父が、まるで凶悪犯か何かのように壇から降ろされ、病院送りになってしまう。さらに会場で、マスコミに取り入って名を売っている学者が殺され、父の唯一の弟子が逮捕されてしまうのだ。途方に暮れる娘であるが、大丈夫ですよね。もちろん、父が送られた病院は、芳子とその仲間が暮らしている第九病棟ですもの。
◆シンデレラの心中
どういうことなのだ? 芳子たち一行が、湖畔のホテルでのんびりと週末を過ごしているのだ。九号棟はどうなった?? 実は九号棟に、アルセーヌ・ルパンが入ったからなのだ。そう、ルパンの代名詞の一つである変装だ。九号棟の点呼時に、ルパンが各人に変装して対応しているのだ。まあ、分からなくもないが、強引すぎますよね。芳子たちが、九号棟に戻らなくてはならないハンディが、このシリーズの面白さであったのであるが、めんどくさくなったので、こんな手を使ったんでしょうね。その芳子たちがいる湖畔で、心中があった。貸し出しのボートが、湖の真ん中に浮かんでいて、ボートに男物のビジネスシューズと女物のサンダルが残されていた。そして、中年の男と若い女の死体が湖から上がった。各々の死体の右手首に、ちぎれてはいたが、赤い布の紐がゆわえてあったのだ。しばらくして、なんとまた、若い女の死体が、湖から発見された。女の左手首に、赤い布の紐がゆわえてあった。どういうことなのか? 三人心中か? 死んだ中年男の妻の話だと、夫は愛人と二人で、この湖畔のホテルに来て心中したとのこと。そして、芳子に、湖から上がった若い女の二人の内、どちらが夫の愛人だったのかを調べて欲しいと依頼したのだ。二人の女の身元が判明したが、中年男の接点が分からない。途方に暮れるところだったが、何か忘れていませんか? ボートに女物のサンダルが残されていたではないですか。そうです、シンデレラなんですね。早速、サンダルを探して、二人の女の死体に合わせてのであるが、どっちの女にも合わなかったのだ。終わった、どうする芳子たち一行さん。
◆孤独なホテルの女主人
「どうして予約しとかなかったのよ?」「こんな時期にフラット行って、部屋なんかあるはずないじゃないの」と、ヒステリックに喚られている。喫茶店でアルバイトをしている大学生が、同じ店でアルバイトをしている女子大生二人を誘って、冬のスキーシーズンに、車でスキーをしに来たのであるが、朝から宿を探しているのに、見つからないのだ。当たり前だよね。冒頭の女子大生のヒステリックな喚きも分かります。車は、どんどん山奥に向かって進んでいると、〈ホテル〉とだけ書いた小さな立て看板を見つけたのだ。車一台がやっと通れるほどのわき道を進むと、北欧風の造りの洋館が現れた。玄関のドアを開けると、初老の紳士が立っていた。「空いていますか、部屋?」と、恐る恐る訊くと、「はい、ございます。三名でいらっしゃいますね」との返事。三人は、顔を見合わせ、肯き合うのだ。そして三人が、広間に行くと先客が一人いた。なんと芳子ではないか、何してんの?どうも、車が故障して、諦めて歩いていると、ここの立て看板を見つけたらしいのだ。しかし、このホテルおかしい。どうも普通の別荘らしい造りで、ホテルなのにフロントもない。そして、あの〈ホテル〉と書いた立て看板も、最近穴を掘って立てたみたいなのだ。芳子は、大学生の男に、「夜中に殺されて、お金を奪われるかもしれない」などと脅して、「あなたが一晩中起きてて、廊下を見張るのよ」などと、指示を出すのだ。ところがどっこい、肩透かし。何事もなく、平和な一夜が空けてしまったのだ。つまらない、話はこれで終わりか? そんなはずありませんよね。例の大学生の男が、芳子を訪ねてきた。男は、銀行強盗犯として、警察に追われているとのことだ。一体何があったというのでしょうか? お楽しみに??
コメント