【広告】スポンサーリンク |
◆吸血鬼社長、がんばる
おおー、久々の吸血鬼シリーズだ。驚いたことに、エリカが大学生になっていた。前作で、エリカの弟が生まれたのに、エリカは、まだ高校生なの?と言ったのが聞こえたのか、成長したのだ。そして、エリカの父のフォン・クロロックが、社長をしているのだ。前に事件の時に助けてやった少女に依頼されてのことらしいが、よく覚えていない。まあいいか。そのクロロックの会社が、産業スパイの被害にあっていて、重要書類が盗まれているとのことだ。エリカが会社に出向き、社長秘書に話を聞くと、三回被害にあっていて、一回目が、社員の通勤定期代請求伝票、二回目が雑費・消耗品使用届用紙、三回目が電話代領収書が盗まれたとのことだ。??どこが重要書類だ!まあいい。三回とも金曜日の夜から月曜日の朝の間に、書類の入ったキャビネットから盗まれているという。早速、金曜日の夜に三人組が、会社に泊まり込みの見張りをすることになった。三人組とは、もちろんエリカ、大月千代子、橋口みどりなのだ。三人とも大学生になっていて、同じ大学に通っているのだ。三人で見張っているのもなんなので、交代で見張ることになり、千代子とみどりが眠りについた。エリカが一人になり、トイレに顔を洗いに行ったスキに書類が盗まれた。何をやっているんだ。一階の警備員に聞いても、誰も出てこなかったとのことで、三人で会社の中を探し回ったが、誰もいないのだ。エリカ完敗。しかたなく今度は見方を変えて、競争相手の会社を秘書に聞くと、かなりえげつないことをする会社があって、そこの専務が怪しいとのことだ。さて、エリカちゃんどうする?? いやーしかし、クロロックが、結構まともに社長を勤めているのだ。驚いた!
『シリーズ登場人物』
◆吸血鬼よ故郷を見よ
年末商戦真っ只中のデパートにその若い女性はいた。年齢は二十四歳独身、丸の内のオフィス街に働く、いわゆるOLのひとりだ。スラリと長身で美人だ。なぜデパートになんか来ているのは、会社の名前で、方々へ贈るお歳暮を、まとめて送りに来たからだ。OLは、石鹸の詰め合わせの商品カードを一枚抜くと、受付のカウンターに並んだ。すると突然、かん高い女の声が売り場中にひびき渡った。「どういうことなの!」「いったい、どう責任取るつもりなのよ!」店員は、その剣幕に恐れをなしている。OLが、見かねて間に入ろうとすると、「まあ、落ち着いてください」と、紳士が割って入ったのだ。何とか夫人を追い返したのであるが、女性は帰り際に振り向き、凄まじいまでの、憎しみ、くやしさの顔で、紳士をにらんだ。すると、紳士の背中が、突然燃えだしたのである。火だるまになった紳士が、紅白の幕の方に転がり、幕に火が燃え移った。客たちは、階段に殺到し、重なり合って倒れた。数人の死者と数十人の負傷者が出た。OLは、夫人の後をつけて、居所を突き止めた。そして、夫人がにらんで紳士に火をつけたと、警察に訴えたが、聞いてもらえない。当たり前だよね。ということで(どういうわけか)、OLは、吸血鬼一家を訪ねて協力を求めたのだ。そして、OLがアパートに帰り、石油ストーブに火をつけようとすると、ポッと音がして、火が付いた。振り向くと、火を放った夫人がいたて、「嗅ぎまわるのを止めるように」と求めた。OLが断ると。石油ストーブに火を放したのだ。火の回りが早く、おしまいだと思った瞬間、クロロックが助けに来たのだ。一体夫人の正体は如何にって感じです。久々に「どう美人かは、読者の想像にお任せするが、」「そう高いものではない。ちなみに集英社から著者へは---やめておこう。」「『狼になったり、霧になったりっていうのは小説の中だけで』『でも、これって小説じゃない?』」と、赤川次郎節が満載でした。
◆吸血鬼は夜によみがえる
「あの人、死ぬつもりなのよ」と、みどりが言った。驚いた、みどりは、「お腹空いた!」としかしゃべらないと思ってました。いつもの三人組が、レストランで食事をしているところで、若い女性をみどりが見ていての推理だ。三人は気になって女性の後をつけると、推理が当たった。エリカがレストランを出ると、女性は、歩道橋の真ん中にいて、手すりに片足をかけるところだ。エリカが、必死に走った。危機一髪、女性を抱きとめることができたのだ。女性から話を聞くと、女性は、中学校の国語の教師で、授業を楽しく面白くと心がけて、生徒の心をひきつけていて、人気があった。先生の授業は、サボる生徒もなく、こっそり他の勉強をする人もなく、学校でも評判だったらしい。ところが最近、クラスの生徒が居眠りをするようになり、ひどいときには、半分ぐらいの生徒が、居眠りをしている。それが一週間も続いているのだ。このことが、理事会に上がり、先生に辞職をすすめようかと、検討しているとのことだ。校長は、学校を企業と考えるタイプで、先生とは合わずに、いつもやりあっている。分が悪い。当然、エリカたちが、この居眠りの謎に力を貸すのだ。クロロックのアドバイスで、居眠りをしない生徒を調べることになった。ただひとり居眠りしない生徒がいて、エリカと先生が生徒の家を尋ねたが、留守らしかった。近所の人の話では、生徒は、病気の母親を看病しながら、夜と休みの日は、フルに働いているとのことだ。エリカが、ふと、鋭い嗅覚に、何かの匂いを捉えた。家の中に人がいる。エリカが、家の中に飛び込むと、母親らしい女性が、息を引き取っていて、生徒が首を吊っていたのだ。今回も危機一髪生徒を助けた。どういうことなのか?クラスで自殺の生徒が出たのだ。先生が、校長に呼ばれて、辞職勧告される。なにかの罠だと思いますが、さてどうなるのでしょうか??
◆吸血鬼博覧会
クロロック社長に、経営の神様と言われている社長が訪ねてきた。会社の創業五十周年の記念博覧会をやることになり、博覧会で「ドラキュラ家の人々」の特集を考えたので協力してほしいとの依頼だ。吸血鬼、古城、霧の深い谷--こういったものには、現代が失ったロマンがあり、そのロマンの夢を現代によみがえらせてみようとのことだ。そして、クロロック社長には、ドラキュラの役で、子供向けの劇に出てほしいとのことだ。博覧会と言えば「こんにちは こんいちは 世界の国から 1970年のこんにちは」ですよね。1964年の東京オリンピックとともに、戦後の高度経済成長を成し遂げ、アメリカに次ぐ世界第2位の経済大国となった日本の象徴的な行事の、日本万国博覧会です。あのころの日本は、いけいけどんどんでしたよね。そう言えば、大阪万博2025をまたやるらしいですね。今度はどうなんでしょうか?盛り上がるのかな?? 話を戻して、クロロック社長は、仕事をそっちのけで、毎日、万博会場に行って準備をしているらしい。エリカが、会場に行くと、「トランシルヴァニア--吸血鬼のふるさと」との案内板があった。十畳ほどもある部屋いっぱいに、大きくうねる山並み、緑に包まれた丘、そして切り立った谷、その上にそびえる古城・・・要するにクロロック社長のふるさと、トランシルヴァニアの立体模型ができあがっていたのだ。「凄い!」とエリカが漏らすぐらいの出来栄えらしい。職人たちのやることを見ていると、苛々して、クロロック社長自ら作っていたらしいのだ。吸血鬼って、こんなこともできるんですね。それはさておき、事件はどうなった?事件起きるんでしょうね?さてどんな事件なのでしょうか??
コメント